任意後見・家族信託のQ&A
- Q 任意後見制度とは何ですか?
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A
認知症などで判断能力が低下した時に備え、あらかじめ支援者(任意後見人)と支援内容を決めておく制度です。将来の不安に備え、自分が信頼できる人に財産管理や療養看護の手続きを任せることができます。契約は公証役場で行う必要があります。
- Q 法定後見制度との違いは何ですか?
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A
任意後見は本人が元気なうちに自分で後見人を選ぶのに対し、法定後見は判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選びます。法定後見では家族が選ばれるとは限らず、専門家が選任されることも多いため、本人の希望を反映しやすいのが任意後見の特徴です。
- Q 任意後見人は誰になれますか?
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A
成人であれば、家族や親族、友人、専門家(弁護士や司法書士など)、法人など、基本的には誰でもなれます。ただし、破産者や本人に対して訴訟をしたことがある人などは欠格事由に該当し、任意後見人になることはできません。
- Q 任意後見契約はいつから効力が発生しますか?
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A
本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任した時から効力が発生します。契約を結んだだけでは開始されず、本人の状態に合わせて申し立てを行う必要があります。監督人が選ばれるまでは、任意後見人は権限を行使できません。
- Q 任意後見監督人とは何ですか?
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A
任意後見人が契約通りにきちんと仕事をしているかをチェックする役割を持つ人です。家庭裁判所が選任し、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれるのが一般的です。任意後見人が不正を行わないよう、本人の財産を守るための重要な存在です。
- Q 任意後見契約を結ぶのに費用はかかりますか?
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A
はい、公正証書で作成する必要があるため、公証役場での手数料(約1万数千円)や印紙代などがかかります。また、専門家に手続きを依頼した場合はその報酬が、契約発効後には任意後見監督人への報酬(月額1〜2万円程度)が継続して発生します。
- Q 任意後見契約は途中で解除できますか?
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A
任意後見監督人が選任される前であれば、公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除できます。しかし、監督人が選任されて効力が発生した後は、正当な理由があり、かつ家庭裁判所の許可を得なければ解除することはできません。
- Q 任意後見人に死後の手続きも任せられますか?
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A
いいえ、任意後見人の権限は本人が死亡した時点で終了するため、死後の手続き(葬儀や遺産分割など)はできません。死後の事務手続きも任せたい場合は、任意後見契約とは別に「死後事務委任契約」を結んでおく必要があります。
- Q 認知症になってからでも任意後見契約は結べますか?
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A
契約の意味を理解できる程度の判断能力が残っていれば結べる可能性はありますが、完全に判断能力が失われている場合は結べません。その場合は、家庭裁判所に申し立てて「法定後見制度」を利用することになります。早めの準備が大切です。
- Q 任意後見人は本人の代わりにスーパーで買い物ができますか?
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A
日常の買い物などの「事実行為」は、原則として任意後見人の権限(代理権)には含まれません。任意後見人が行うのは、不動産の売買や預金の管理、施設への入所契約といった「法律行為」が中心です。日用品の買い物は別の支援サービスを利用します。
- Q 家族信託とはどのような制度ですか?
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A
自分の財産の管理や処分を、信頼できる家族に託す制度です。認知症による財産凍結を防ぐ対策として有効で、本人の希望に沿った柔軟な財産管理が可能です。遺言の機能も持たせることができ、次世代へのスムーズな資産承継にも役立ちます。
- Q 家族信託のメリットは何ですか?
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A
認知症になっても財産が凍結されず、家族の判断で預金の引き出しや不動産の売却ができる点です。また、成年後見制度のように家庭裁判所の監督を受けないため、柔軟な運用が可能で、継続的な専門家への報酬費用を抑えられるケースも多いです。
- Q 家族信託と成年後見制度はどう違いますか?
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A
成年後見は本人の財産を守る(現状維持)ことが目的で、家庭裁判所の厳格な監督下に置かれます。一方、家族信託は本人の希望に沿った積極な財産管理・運用・処分が可能で、裁判所の関与がなく、家族間で柔軟にルールを決められる点が異なります。
- Q 家族信託は誰に財産を託せますか?
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A
子どもや孫など、信頼できる家族や親族に託すのが一般的です(受託者と呼びます)。信託業法の制限を受けないため、家族以外の信頼できる第三者に託すことも可能ですが、報酬を得て反復継続して引き受けることはできません。
- Q どんな財産でも信託できますか?
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A
現金(預貯金)や不動産、未上場株式などが信託の対象になります。ただし、農地は原則として信託できず、年金口座や一身専属的な権利も信託できません。上場株式も証券会社によっては信託口座での管理に対応していない場合があります。
- Q 家族信託にデメリットや注意点はありますか?
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A
受託者(財産を管理する人)に大きな権限と責任が伴うため、他の親族の不満を招きトラブルになるリスクがあります。また、成年後見制度にある「身上保護権(施設入所契約などの代理権)」がないため、必要に応じて両制度を併用することがあります。
- Q 家族信託の契約書は自分で作れますか?
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A
自分で作ることも可能ですが、法的に複雑で将来のトラブルを防ぐため、専門家(弁護士や司法書士など)に依頼し、公正証書で作成することを強くお勧めします。不備があると、いざという時に金融機関等で手続きができない可能性があります。
- Q 家族信託をすると税金はどうなりますか?
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A
信託を設定しただけでは、実質的な権利者(受益者)が本人のままであれば贈与税などの税金はかかりません。ただし、不動産を信託した場合は登録免許税がかかります。また、本人が亡くなり財産が引き継がれる際には、相続税の対象となります。
- Q 家族信託は途中でやめることができますか?
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A
契約で定めた終了事由(本人の死亡など)が発生した時のほか、委託者(本人)と受益者(利益を受ける人)の合意があれば原則として終了できます。ただし、契約内容によっては解除を制限することも可能で、設計次第で柔軟に対応できます。
- Q 家族信託と遺言書はどちらを優先すべきですか?
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A
家族信託で信託財産として定めたものについては、信託契約の内容が遺言書よりも優先されます。信託財産以外の財産(日常使う口座など)については遺言書が必要になるため、両方を組み合わせて活用することで、より完璧な相続対策が可能になります。