契約書テンプレート
賃貸借
3-1 普通建物賃貸借契約書(居住用 / 事業用)
建物の賃貸借契約において最も一般的に用いられる契約書です。
契約期間が満了しても、正当な事由がない限り貸主側からの更新拒絶ができず、原則として契約が更新される性質を持ちます。
居住用と事業用のいずれの用途にも対応可能な書式となっており、賃料、共益費、敷金、契約期間、禁止事項、修繕義務、解除事由など、賃貸借関係における基本的な権利義務関係を網羅的に定めています。
トラブル防止のため詳細な規定が推奨されます。
3-2 定期建物賃貸借契約書
契約で定めた期間の満了により、更新されることなく確定的に賃貸借契約が終了する契約書です。
貸主は期間満了により確実に建物の返還を受けられるため、将来の建替えや自己使用の予定がある場合に適しています。
契約期間は自由に設定でき、1年未満の短期や長期間の設定も可能です。
ただし、契約締結時には、更新がなく期間満了により終了する旨を記載した書面(事前説明書面)を交付して説明することが法律で義務付けられています。
3-3 定期借家契約に関する事前説明書面
定期建物賃貸借契約を締結する際、貸主が借主に対して事前に交付し説明しなければならない法定の書面です。
この書面には「契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了する」旨を明記する必要があります。
契約書とは別個独立した書面として作成・交付することが実務上求められており、この事前説明を怠った場合、定期借家契約としての効力が否定され、通常の普通建物賃貸借契約とみなされる重大なリスクがあります。
3-6 賃貸借契約の保証委託契約書(または連帯保証承諾書)
賃貸借契約において、借主の債務(賃料の支払い、原状回復費用など)を担保するため、連帯保証人となる者と貸主との間で締結される契約書、または保証人が差し入れる承諾書です。
民法改正により、個人の根保証契約においては極度額(保証の限度額)を定めなければ無効となるため、極度額の明記が必須です。
保証人の責任範囲を明確にし、万が一借主が債務不履行に陥った際の貸主の債権回収を確実にするための重要な担保手段となります。
3-7 賃料改定合意書(増額・減額)
賃貸借契約の継続中に、経済情勢の変動、近隣相場との乖離、物件の価値変化などの事情により、貸主と借主の合意に基づいて賃料を増額または減額する際に作成する書面です。
改定後の新賃料の額、改定の適用開始時期などを明確に記載します。
口頭での合意も有効ですが、後日の言った言わないのトラブルを防ぐため、必ず書面で残すことが重要です。
固定資産税の増減や物価変動などを理由とする賃料増減額請求権の行使の際にも用いられます。
3-4 サブリース原賃貸借契約書(マスターリース契約書)
建物の所有者(貸主)とサブリース業者(借主)との間で締結される賃貸借契約書です。
サブリース業者が建物を一括して借り上げ、第三者(転借人)に転貸(サブリース)することを目的としています。
空室リスクを業者が負担する賃料保証型や、実績に応じたパススルー型などがあります。
賃料改定の条件、修繕費用の負担区分、契約解除の要件など、長期的な事業運営に関わる重要な事項を定めるため、慎重な内容の検討が必要です。
3-5 サブリース(転貸借)に関する重要事項説明書
サブリース業者が入居者(転借人)と転貸借契約を締結する際、賃貸住宅管理業法に基づき事前に交付・説明が義務付けられている書面です。
マスターリース契約(原賃貸借契約)の内容や条件、家賃の支払方法、契約期間、更新・解除に関する事項、修繕の責任分担などを記載します。
入居者に対して、原契約が終了した場合には転貸借契約も終了する可能性があることなど、サブリース特有のリスクや契約条件を正確に伝える役割を果たします。
3-8 契約変更合意書(名義変更・承継など)
賃貸借契約の当事者(貸主または借主)が変更になる場合や、契約内容の一部を変更する場合に作成する合意書です。
例えば、貸主の物件売却による地位の承継、借主の法人成りや相続による名義変更、連帯保証人の変更、使用目的の変更(居住用から店舗用など)の際に用いられます。
原契約と変更部分の関係を明確にし、承継される権利義務の範囲(敷金の返還債務の引継ぎの有無など)を当事者間で確認し、紛争を予防するために不可欠です。
3-9 合意解約書(解約合意書)
賃貸借契約の期間の途中で、貸主と借主の双方の合意により契約を将来に向かって終了(解約)させる場合に作成する書面です。
法定の解約申し入れ期間に関わらず、当事者が合意した日を解約日とすることができます。
明渡しの時期、未払い賃料の清算方法、原状回復義務の範囲と費用の負担、敷金の返還時期と金額、違約金の有無など、退去に伴う一切の権利義務関係を最終的に確定させ、後日の紛争を完全に防ぐ目的で作成されます。
3-10 定期建物賃貸借契約の期間満了通知書
定期建物賃貸借契約において、契約期間が1年以上の場合、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借主に対して契約が終了する旨の通知を行わなければなりません。
この書面はその通知義務を果たすためのものです。
通知期間を徒過した場合、貸主は期間満了による終了を借主に主張できず、通知した日から6ヶ月経過後でなければ契約を終了させることができなくなるため、期限管理と証拠化(内容証明郵便等)が極めて重要です。
3-11 敷金返還・原状回復費用清算合意書
賃貸物件の退去・明渡しが完了した後、預かっていた敷金の返還額と、借主が負担すべき原状回復費用の精算額について、貸主と借主が合意した内容を証する書面です。
国土交通省のガイドライン等を踏まえ、通常損耗と借主の故意過失による損傷の負担区分を明確にし、具体的な修繕項目と金額を記載します。
敷金トラブルは賃貸借において非常に多いため、精算内容を互いに確認し、今後の異議申し立てをしない旨を記載して紛争を終局的に解決します。
3-12 不動産売買契約書(土地・建物
土地および建物の売買を行う際に、売主と買主の間で締結される最も基本的な契約書です。
売買物件の特定、売買代金の額と支払方法(手付金、中間金、残金)、所有権の移転時期、引渡しの時期、危険負担、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)の期間と内容、公租公課の精算、契約解除の要件と違約金など、不動産取引における重要な権利義務を網羅しています。
高額な取引となるため、対象物件の状況に応じた詳細な特約条項の設定が求められます。
3-13 不動産売買契約書(マンションなど対象別)
区分所有建物(マンション)の売買において用いられる契約書です。
基本的な条項は土地建物の売買契約書と共通しますが、マンション特有の事項が追加されます。
具体的には、専有部分と共用部分の範囲、敷地利用権の種類と割合、管理費や修繕積立金の滞納の有無と精算方法、管理規約や使用細則の遵守義務、修繕積立金等の承継に関する規定などが含まれます。
マンション管理の実態に即した内容を正確に反映させることが重要です。
3-14 不動産売買一件についての重要事項説明書(宅建業法上の書式)
宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、または売買の媒介(仲介)を行う場合に、宅建業法第35条に基づき、買主に対して契約締結前に交付・説明が義務付けられている書面です。
登記記録に記録された事項、都市計画法や建築基準法等の法令に基づく制限、インフラ(飲料水、電気、ガス、排水)の整備状況、契約解除に関する事項、損害賠償額の予定など、購入の意思決定に重大な影響を及ぼす物件の重要事項が詳細に記載されています。
3-15 不動産売買の買付証明書(購入申込書) / 売渡承諾書
不動産の購入希望者が、売主に対して購入の意思(希望価格、支払条件、引渡時期など)を正式に伝えるための書面が「買付証明書(購入申込書)」です。
これに対し、売主がその条件での売却に同意する旨を伝えるのが「売渡承諾書」です。
これらは契約の準備段階における意思表示であり、通常は法的拘束力(契約の成立)を持ちませんが、優先的な交渉権を確保し、その後の正式な売買契約締結に向けた条件交渉の基礎となる重要な書面です。
3-16 不動産売買契約の変更合意書(引渡日の延長や代金変更など)
不動産売買契約の締結後、当初の契約内容に変更が生じた場合に作成する合意書です。
例えば、買主のローン審査の遅れ等による引渡日(残金決済日)の延長、境界確定の結果に伴う実測面積に基づく売買代金の変更、その他特約事項の追加や修正などが行われます。
変更内容を明確に書面化することで、原契約の効力を維持しつつ、変更部分についての当事者間の認識のズレを防ぎ、決済時のトラブルを未然に防止する役割を果たします。
3-17 不動産売買契約の解除合意書(手付放棄や違約金による解除など)
一度締結した不動産売買契約を、当事者の合意や契約上の権利行使によって解除する場合に作成する書面です。
買主からの手付放棄による解除、売主からの手付倍返しによる解除、住宅ローン特約に基づく白紙解除、当事者の債務不履行(契約違反)を理由とする違約金請求を伴う解除など、解除の理由は様々です。
受領済みの金銭(手付金等)の返還の有無や違約金の支払いに関する事項を明確にし、契約関係を完全に清算するために必要です。
3-18 境界確認書(隣地との境界確定に関する合意書)
隣接する土地の所有者同士が、現地において互いの土地の境界線(筆界)を確認し、その位置について合意したことを証する書面です。
通常、土地家屋調査士等の専門家が作成した境界確定図(実測図)を添付し、当事者双方が署名捺印します。
不動産売買において売主の境界明示義務を果たすためや、将来の境界トラブル(越境問題など)を防止するために極めて重要です。
確定した境界は、その後の土地の分筆登記等の基礎資料となります。