お問い合わせ

遺言・相続のQ&A

Q 遺言には、どのような形式がありますか。
A

主に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
自分で手書きする「自筆証書遺言」、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」、内容を秘密にしたまま存在のみを証明してもらう「秘密証書遺言」が一般的な形式です。状況に合わせて適切な形式を選ぶことが重要です。

Q 遺言書は自分で書いても有効ですか?
A

はい、有効ですが厳格な要件を満たす必要があります。財産目録を除き、全文を自分で手書きし、日付と署名、押印をしなければなりません。パソコンでの作成や代筆は認められておらず、日付が曖昧だったり押印が漏れたりするなど、少しでも不備があると遺言全体が無効になるため、作成には細心の注意が必要です。

Q 遺言書はどこに保管すればよいですか?
A

法務局の保管制度を利用するか、安全な場所で保管します。自筆証書遺言の場合、紛失や改ざんを防ぐため、法務局の「遺言書保管制度」を利用するのが最も安全で確実です。自宅で保管する場合は、金庫など見つかりにくく、かつ死後に家族が気づける場所に保管する必要がありますが、紛失のリスクは伴います。

Q 遺言書を書き直すことはできますか?
A

はい、何度でも自由に書き直すことができます。新しい遺言書を作成することで、前の遺言書の内容は取り消されたものとみなされます。書き直す際は、以前の遺言書を破棄するか、新しい遺言書の中で「前の遺言を撤回する」旨を明記するとトラブルを防げます。常に最新の日付のものが有効となります。

Q 相続はいつから開始されますか?
A

被相続人(亡くなった方)が死亡したときから開始されます。死亡届の提出や手続きの有無に関わらず、死亡の事実が発生した時点で自動的に相続が始まります。そのため、亡くなった直後から遺産の管理や相続人の確定など、様々な手続きに向けた準備を速やかに進める必要があります。

Q 誰が相続人になるのでしょうか?
A

配偶者は常に相続人となり、血族には優先順位があります。第1順位は子ども、第2順位は親などの直系尊属、第3順位は兄弟姉妹です。先の順位の人がいる場合、後の順位の人は相続人になれません。養子や認知された子どもも実子と同じ権利を持ちます。事実婚のパートナーは法定相続人には含まれません。

Q 借金も相続しなければなりませんか?
A

はい、原則として借金などのマイナスの財産も相続されます。ただし、相続放棄や限定承認という手続きをとることで、借金を背負わずに済む方法があります。相続放棄をすると最初から相続人でなかったことになり、プラスの財産も受け取れません。手続きは相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で行う必要があります。

Q 相続放棄はいつでもできますか?
A

いいえ、原則として相続開始を知った時から3ヶ月以内に行う必要があります。この期間を「熟慮期間」と呼び、期間内に家庭裁判所で手続きをしないと、単純承認(すべての財産と借金を相続すること)をしたとみなされます。期限を過ぎると原則として放棄できなくなるため、早めの財産調査が非常に重要です。

Q 遺産分割協議とは何ですか?
A

相続人全員で遺産の分け方を話し合って決める手続きです。遺言書がない場合や、遺言書に書かれていない財産がある場合に行われます。誰がどの財産をどれくらい受け取るかを協議し、全員の合意が得られたら「遺産分割協議書」を作成し、全員の実印を押印して印鑑証明書を添付します。一人でも欠けると無効になります。

Q 遺産分割協議に期限はありますか?
A

遺産分割協議自体に期限はありませんが、早めに行うべきです。放置すると相続人が亡くなって新たな相続が発生し、関係者が増えて協議が困難になるリスクがあります。また、相続税の申告期限(死後10ヶ月以内)までに協議が整わないと、配偶者の税額軽減などの特例が受けられなくなるため注意が必要です。

Q 遺留分とは何ですか?
A

兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限保障された遺産の取得割合です。例えば「全財産を愛人に譲る」という遺言があっても、配偶者や子どもは遺留分を主張して一定の財産を取り戻すことができます。これを遺留分侵害額請求と呼び、侵害を知ってから1年以内に行う必要があります。

Q 相続税は必ずかかりますか?
A

いいえ、遺産の総額が「基礎控除額」を超えた場合にのみかかります。基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。遺産総額がこの金額以下であれば相続税はかからず、申告も不要です。ただし、特例を利用して税額をゼロにする場合は、申告が必要になることがあります。

Q 亡くなった親の預金口座はどうなりますか?
A

金融機関が死亡の事実を知った時点で口座は凍結され、引き出しができなくなります。これは一部の相続人が勝手に預金を引き出すのを防ぐためです。凍結を解除するには、遺言書や遺産分割協議書、相続人全員の戸籍謄本など、金融機関が指定する書類を提出して相続手続きを行う必要があります。

Q 葬儀費用は遺産から出してもいいですか?
A

遺産から出すことは可能ですが、後々のトラブルを防ぐため注意が必要です。遺産分割前に勝手に引き出すと、単純承認とみなされ相続放棄ができなくなる可能性があります。また、領収書は必ず保管し、相続人全員の同意を得てから支出するのが安全です。一定額までは仮払い制度を利用して引き出すことも可能です。

Q 遺言書を開封してはいけないと聞きましたが本当ですか?
A

はい、自筆証書遺言や秘密証書遺言は勝手に開封してはいけません。家庭裁判所で「検認」という手続きを経る必要があります。検認前に開封すると、5万円以下の過料に処される可能性があります。ただし、公正証書遺言や法務局に預けた自筆証書遺言は、検認手続きが不要なのでそのまま開封しても問題ありません。

Q 内縁の妻(夫)は相続できますか?
A

いいえ、法律上の婚姻関係がない内縁関係では法定相続人になれません。長年連れ添っていても、法律上は他人とみなされます。内縁のパートナーに財産を残したい場合は、生前に遺言書を作成して「遺贈」するか、生前贈与を行うなどの対策を講じておくことが不可欠です。

Q 認知症の親の代わりに遺産分割協議はできますか?
A

認知症で判断能力がない場合、本人は協議に参加できません。そのままでは遺産分割協議が無効になるため、家庭裁判所に申し立てて「成年後見人」を選任してもらう必要があります。成年後見人が本人に代わって協議に参加し、本人の法定相続分を確保する形で遺産分割を進めることになります。

Q 親の介護をしていた場合、遺産を多くもらえますか?
A

「寄与分」として認められれば、多くもらえる可能性があります。ただし、単なる家族としての世話ではなく、無報酬で長期間にわたり療養看護に努め、親の財産の維持や増加に特別の貢献をしたと評価される必要があります。他の相続人との協議で合意するか、まとまらなければ家庭裁判所で調停を行うことになります。

Q 相続人が誰もいない場合、財産はどうなりますか?
A

最終的には国の財産(国庫)に帰属します。ただし、すぐに国に没収されるわけではありません。家庭裁判所が選任した相続財産清算人が借金の清算などをし、特別縁故者(生前世話になった人など)からの請求があれば一部が与えられます。それでも残った財産が国庫に納められます。

Q パソコンやスマホで遺言を残せますか?
A

現状では、動画や音声、パソコン・スマホのテキストデータのみでの遺言は法的に無効です。自筆証書遺言の場合、財産目録のみパソコン作成が認められていますが、本文は必ず手書きする必要があります。デジタルデータは改ざんが容易なため、確実な法的効力を持たせるには書面での作成が必須です。

オクトパス法律事務所

住所
大阪府大阪市西区
西本町1-8-2 三晃ビル5階
TEL
06-6695-7460
FAX
06-6695-7461
受付時間
9:30~18:00