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個人様関連FAQのQ&A

Q 遺言には、どのような形式がありますか。
A

主に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
自分で手書きする「自筆証書遺言」、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」、内容を秘密にしたまま存在のみを証明してもらう「秘密証書遺言」が一般的な形式です。状況に合わせて適切な形式を選ぶことが重要です。

Q 遺言書は自分で書いても有効ですか?
A

はい、有効ですが厳格な要件を満たす必要があります。財産目録を除き、全文を自分で手書きし、日付と署名、押印をしなければなりません。パソコンでの作成や代筆は認められておらず、日付が曖昧だったり押印が漏れたりするなど、少しでも不備があると遺言全体が無効になるため、作成には細心の注意が必要です。

Q 遺言書はどこに保管すればよいですか?
A

法務局の保管制度を利用するか、安全な場所で保管します。自筆証書遺言の場合、紛失や改ざんを防ぐため、法務局の「遺言書保管制度」を利用するのが最も安全で確実です。自宅で保管する場合は、金庫など見つかりにくく、かつ死後に家族が気づける場所に保管する必要がありますが、紛失のリスクは伴います。

Q 遺言書を書き直すことはできますか?
A

はい、何度でも自由に書き直すことができます。新しい遺言書を作成することで、前の遺言書の内容は取り消されたものとみなされます。書き直す際は、以前の遺言書を破棄するか、新しい遺言書の中で「前の遺言を撤回する」旨を明記するとトラブルを防げます。常に最新の日付のものが有効となります。

Q 相続はいつから開始されますか?
A

被相続人(亡くなった方)が死亡したときから開始されます。死亡届の提出や手続きの有無に関わらず、死亡の事実が発生した時点で自動的に相続が始まります。そのため、亡くなった直後から遺産の管理や相続人の確定など、様々な手続きに向けた準備を速やかに進める必要があります。

Q 誰が相続人になるのでしょうか?
A

配偶者は常に相続人となり、血族には優先順位があります。第1順位は子ども、第2順位は親などの直系尊属、第3順位は兄弟姉妹です。先の順位の人がいる場合、後の順位の人は相続人になれません。養子や認知された子どもも実子と同じ権利を持ちます。事実婚のパートナーは法定相続人には含まれません。

Q 借金も相続しなければなりませんか?
A

はい、原則として借金などのマイナスの財産も相続されます。ただし、相続放棄や限定承認という手続きをとることで、借金を背負わずに済む方法があります。相続放棄をすると最初から相続人でなかったことになり、プラスの財産も受け取れません。手続きは相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で行う必要があります。

Q 相続放棄はいつでもできますか?
A

いいえ、原則として相続開始を知った時から3ヶ月以内に行う必要があります。この期間を「熟慮期間」と呼び、期間内に家庭裁判所で手続きをしないと、単純承認(すべての財産と借金を相続すること)をしたとみなされます。期限を過ぎると原則として放棄できなくなるため、早めの財産調査が非常に重要です。

Q 遺産分割協議とは何ですか?
A

相続人全員で遺産の分け方を話し合って決める手続きです。遺言書がない場合や、遺言書に書かれていない財産がある場合に行われます。誰がどの財産をどれくらい受け取るかを協議し、全員の合意が得られたら「遺産分割協議書」を作成し、全員の実印を押印して印鑑証明書を添付します。一人でも欠けると無効になります。

Q 遺産分割協議に期限はありますか?
A

遺産分割協議自体に期限はありませんが、早めに行うべきです。放置すると相続人が亡くなって新たな相続が発生し、関係者が増えて協議が困難になるリスクがあります。また、相続税の申告期限(死後10ヶ月以内)までに協議が整わないと、配偶者の税額軽減などの特例が受けられなくなるため注意が必要です。

Q 遺留分とは何ですか?
A

兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限保障された遺産の取得割合です。例えば「全財産を愛人に譲る」という遺言があっても、配偶者や子どもは遺留分を主張して一定の財産を取り戻すことができます。これを遺留分侵害額請求と呼び、侵害を知ってから1年以内に行う必要があります。

Q 相続税は必ずかかりますか?
A

いいえ、遺産の総額が「基礎控除額」を超えた場合にのみかかります。基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。遺産総額がこの金額以下であれば相続税はかからず、申告も不要です。ただし、特例を利用して税額をゼロにする場合は、申告が必要になることがあります。

Q 亡くなった親の預金口座はどうなりますか?
A

金融機関が死亡の事実を知った時点で口座は凍結され、引き出しができなくなります。これは一部の相続人が勝手に預金を引き出すのを防ぐためです。凍結を解除するには、遺言書や遺産分割協議書、相続人全員の戸籍謄本など、金融機関が指定する書類を提出して相続手続きを行う必要があります。

Q 葬儀費用は遺産から出してもいいですか?
A

遺産から出すことは可能ですが、後々のトラブルを防ぐため注意が必要です。遺産分割前に勝手に引き出すと、単純承認とみなされ相続放棄ができなくなる可能性があります。また、領収書は必ず保管し、相続人全員の同意を得てから支出するのが安全です。一定額までは仮払い制度を利用して引き出すことも可能です。

Q 遺言書を開封してはいけないと聞きましたが本当ですか?
A

はい、自筆証書遺言や秘密証書遺言は勝手に開封してはいけません。家庭裁判所で「検認」という手続きを経る必要があります。検認前に開封すると、5万円以下の過料に処される可能性があります。ただし、公正証書遺言や法務局に預けた自筆証書遺言は、検認手続きが不要なのでそのまま開封しても問題ありません。

Q 内縁の妻(夫)は相続できますか?
A

いいえ、法律上の婚姻関係がない内縁関係では法定相続人になれません。長年連れ添っていても、法律上は他人とみなされます。内縁のパートナーに財産を残したい場合は、生前に遺言書を作成して「遺贈」するか、生前贈与を行うなどの対策を講じておくことが不可欠です。

Q 認知症の親の代わりに遺産分割協議はできますか?
A

認知症で判断能力がない場合、本人は協議に参加できません。そのままでは遺産分割協議が無効になるため、家庭裁判所に申し立てて「成年後見人」を選任してもらう必要があります。成年後見人が本人に代わって協議に参加し、本人の法定相続分を確保する形で遺産分割を進めることになります。

Q 親の介護をしていた場合、遺産を多くもらえますか?
A

「寄与分」として認められれば、多くもらえる可能性があります。ただし、単なる家族としての世話ではなく、無報酬で長期間にわたり療養看護に努め、親の財産の維持や増加に特別の貢献をしたと評価される必要があります。他の相続人との協議で合意するか、まとまらなければ家庭裁判所で調停を行うことになります。

Q 相続人が誰もいない場合、財産はどうなりますか?
A

最終的には国の財産(国庫)に帰属します。ただし、すぐに国に没収されるわけではありません。家庭裁判所が選任した相続財産清算人が借金の清算などをし、特別縁故者(生前世話になった人など)からの請求があれば一部が与えられます。それでも残った財産が国庫に納められます。

Q パソコンやスマホで遺言を残せますか?
A

現状では、動画や音声、パソコン・スマホのテキストデータのみでの遺言は法的に無効です。自筆証書遺言の場合、財産目録のみパソコン作成が認められていますが、本文は必ず手書きする必要があります。デジタルデータは改ざんが容易なため、確実な法的効力を持たせるには書面での作成が必須です。

Q 任意後見制度とは何ですか?
A

認知症などで判断能力が低下した時に備え、あらかじめ支援者(任意後見人)と支援内容を決めておく制度です。将来の不安に備え、自分が信頼できる人に財産管理や療養看護の手続きを任せることができます。契約は公証役場で行う必要があります。

Q 法定後見制度との違いは何ですか?
A

任意後見は本人が元気なうちに自分で後見人を選ぶのに対し、法定後見は判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選びます。法定後見では家族が選ばれるとは限らず、専門家が選任されることも多いため、本人の希望を反映しやすいのが任意後見の特徴です。

Q 任意後見人は誰になれますか?
A

成人であれば、家族や親族、友人、専門家(弁護士や司法書士など)、法人など、基本的には誰でもなれます。ただし、破産者や本人に対して訴訟をしたことがある人などは欠格事由に該当し、任意後見人になることはできません。

Q 任意後見契約はいつから効力が発生しますか?
A

本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任した時から効力が発生します。契約を結んだだけでは開始されず、本人の状態に合わせて申し立てを行う必要があります。監督人が選ばれるまでは、任意後見人は権限を行使できません。

Q 任意後見監督人とは何ですか?
A

任意後見人が契約通りにきちんと仕事をしているかをチェックする役割を持つ人です。家庭裁判所が選任し、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれるのが一般的です。任意後見人が不正を行わないよう、本人の財産を守るための重要な存在です。

Q 任意後見契約を結ぶのに費用はかかりますか?
A

はい、公正証書で作成する必要があるため、公証役場での手数料(約1万数千円)や印紙代などがかかります。また、専門家に手続きを依頼した場合はその報酬が、契約発効後には任意後見監督人への報酬(月額1〜2万円程度)が継続して発生します。

Q 任意後見契約は途中で解除できますか?
A

任意後見監督人が選任される前であれば、公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除できます。しかし、監督人が選任されて効力が発生した後は、正当な理由があり、かつ家庭裁判所の許可を得なければ解除することはできません。

Q 任意後見人に死後の手続きも任せられますか?
A

いいえ、任意後見人の権限は本人が死亡した時点で終了するため、死後の手続き(葬儀や遺産分割など)はできません。死後の事務手続きも任せたい場合は、任意後見契約とは別に「死後事務委任契約」を結んでおく必要があります。

Q 認知症になってからでも任意後見契約は結べますか?
A

契約の意味を理解できる程度の判断能力が残っていれば結べる可能性はありますが、完全に判断能力が失われている場合は結べません。その場合は、家庭裁判所に申し立てて「法定後見制度」を利用することになります。早めの準備が大切です。

Q 任意後見人は本人の代わりにスーパーで買い物ができますか?
A

日常の買い物などの「事実行為」は、原則として任意後見人の権限(代理権)には含まれません。任意後見人が行うのは、不動産の売買や預金の管理、施設への入所契約といった「法律行為」が中心です。日用品の買い物は別の支援サービスを利用します。

Q 家族信託とはどのような制度ですか?
A

自分の財産の管理や処分を、信頼できる家族に託す制度です。認知症による財産凍結を防ぐ対策として有効で、本人の希望に沿った柔軟な財産管理が可能です。遺言の機能も持たせることができ、次世代へのスムーズな資産承継にも役立ちます。

Q 家族信託のメリットは何ですか?
A

認知症になっても財産が凍結されず、家族の判断で預金の引き出しや不動産の売却ができる点です。また、成年後見制度のように家庭裁判所の監督を受けないため、柔軟な運用が可能で、継続的な専門家への報酬費用を抑えられるケースも多いです。

Q 家族信託と成年後見制度はどう違いますか?
A

成年後見は本人の財産を守る(現状維持)ことが目的で、家庭裁判所の厳格な監督下に置かれます。一方、家族信託は本人の希望に沿った積極な財産管理・運用・処分が可能で、裁判所の関与がなく、家族間で柔軟にルールを決められる点が異なります。

Q 家族信託は誰に財産を託せますか?
A

子どもや孫など、信頼できる家族や親族に託すのが一般的です(受託者と呼びます)。信託業法の制限を受けないため、家族以外の信頼できる第三者に託すことも可能ですが、報酬を得て反復継続して引き受けることはできません。

Q どんな財産でも信託できますか?
A

現金(預貯金)や不動産、未上場株式などが信託の対象になります。ただし、農地は原則として信託できず、年金口座や一身専属的な権利も信託できません。上場株式も証券会社によっては信託口座での管理に対応していない場合があります。

Q 家族信託にデメリットや注意点はありますか?
A

受託者(財産を管理する人)に大きな権限と責任が伴うため、他の親族の不満を招きトラブルになるリスクがあります。また、成年後見制度にある「身上保護権(施設入所契約などの代理権)」がないため、必要に応じて両制度を併用することがあります。

Q 家族信託の契約書は自分で作れますか?
A

自分で作ることも可能ですが、法的に複雑で将来のトラブルを防ぐため、専門家(弁護士や司法書士など)に依頼し、公正証書で作成することを強くお勧めします。不備があると、いざという時に金融機関等で手続きができない可能性があります。

Q 家族信託をすると税金はどうなりますか?
A

信託を設定しただけでは、実質的な権利者(受益者)が本人のままであれば贈与税などの税金はかかりません。ただし、不動産を信託した場合は登録免許税がかかります。また、本人が亡くなり財産が引き継がれる際には、相続税の対象となります。

Q 家族信託は途中でやめることができますか?
A

契約で定めた終了事由(本人の死亡など)が発生した時のほか、委託者(本人)と受益者(利益を受ける人)の合意があれば原則として終了できます。ただし、契約内容によっては解除を制限することも可能で、設計次第で柔軟に対応できます。

Q 家族信託と遺言書はどちらを優先すべきですか?
A

家族信託で信託財産として定めたものについては、信託契約の内容が遺言書よりも優先されます。信託財産以外の財産(日常使う口座など)については遺言書が必要になるため、両方を組み合わせて活用することで、より完璧な相続対策が可能になります。

Q 退去時に敷金は全額返ってきますか?
A

原則として返還されますが、原状回復費用が差し引かれます。経年劣化や通常の使用による損耗の修繕費用は貸主負担ですが、借主の故意や過失による傷や汚れの修繕費用は借主負担となります。契約書の特約事項も確認が必要ですが、不当な高額請求には応じる必要はありません。

Q 突然、家賃の値上げを要求されました。応じるべきですか?
A

納得できなければ、すぐに応じる必要はありません。家賃の増額には、周辺相場の上昇や固定資産税の増額などの合理的な理由と、双方の合意が必要です。合意できない場合は、これまで通りの家賃を支払い続けることで債務不履行にはなりません。供託制度の利用も検討しましょう。

Q エアコンが壊れましたが、修理代は誰が払いますか?
A

備え付けの設備であれば、原則として貸主(大家さん)が負担します。ただし、借主の不注意で壊した場合や、契約書で「小修繕は借主負担」と定められている場合は借主負担になることがあります。勝手に修理せず、まずは管理会社や大家さんに連絡して対応を協議してください。

Q ペット不可の物件でペットを飼うとどうなりますか?
A

契約違反となり、契約解除や退去を求められる可能性があります。さらに、ペットによる傷や臭いの修繕費用として、高額な原状回復費用や違約金を請求されることもあります。隠して飼い続けることはリスクが高いため絶対に避け、飼いたい場合はペット可の物件に引っ越しましょう。

Q 契約更新時に更新料を支払う必要はありますか?
A

賃貸借契約書に更新料の支払い条項があれば、原則として支払う必要があります。更新料の支払いは法的な義務ではありませんが、契約で明確に合意されていれば有効とされています。ただし、金額が家賃の数ヶ月分など高額すぎる場合は、消費者契約法により無効となる余地があります。

Q 隣人の騒音に悩んでいます。どうすればよいですか?
A

直接注意せず、まずは管理会社や大家さんに相談してください。直接の苦情は感情的なトラブルに発展する恐れがあります。管理会社から注意喚起のチラシを配ってもらったり、直接連絡してもらったりするのが安全です。改善されない場合は、警察への相談や法的な対応も検討します。

Q 買った家に雨漏りがありました。契約解除できますか?
A

契約不適合責任を問える可能性があります。売主が個人か業者か、契約書の特約はどうなっているかによりますが、引き渡しから一定期間内であれば、修補請求や代金減額請求、重大な欠陥であれば契約解除や損害賠償請求ができる場合があります。まずは早急に売主に通知しましょう。

Q 手付金を払った後でキャンセルできますか?
A

買主からは、手付金を放棄することで契約を解除できます(手付解除)。ただし、売主がすでに「契約の履行に着手」している場合(家の建築を始めたなど)は手付解除ができず、違約金が発生する可能性があります。契約書の解除条項と履行の着手状況をよく確認することが重要です。

Q 住宅ローンの審査に落ちたら契約はどうなりますか?
A

「住宅ローン特約」があれば、白紙解約となり手付金は返還されます。この特約は、期限までにローンが承認されなかった場合、ペナルティなしで契約を解除できるというものです。契約時にこの特約がしっかり盛り込まれているか、期限はいつまでかを必ず確認しておく必要があります。

Q 契約後に「やっぱり売りたくない」と言われました。
A

売主からのキャンセルは、手付金の倍額を買主に支払うことで可能です(手付倍返し)。ただし、これも買主が「契約の履行に着手」する前までです。すでに引っ越し業者を手配したなどの事情があれば、手付解除は認められず、債務不履行として損害賠償を請求できる場合があります。

Q 仲介手数料は必ず上限額を払うのですか?
A

いいえ、法律で定められているのは「上限額」であり、必ずその額を支払う義務はありません。不動産会社との交渉次第で減額や無料になることもあります。ただし、一般的には上限額(売買価格の3%+6万円+消費税など)が請求されることが多いため、契約前に確認と交渉を行いましょう。

Q 重要事項説明で聞いていない事実が判明しました。<br /> どのような対応が可能でしょうか。
A

契約の取り消しや損害賠償請求ができる可能性があります。不動産会社には、契約前に物件の重要な情報を説明する義務(重要事項説明義務)があります。説明義務違反によって損害を被った場合は、宅地建物取引業者に対して責任を追及できます。説明書と事実の食い違いの証拠を残しましょう。

Q 隣との境界線がわかりません。どうすればいいですか?
A

土地家屋調査士などの専門家に依頼し、境界確定測量を行うのが確実です。法務局の公図や地積測量図、過去の境界標などを元に調査し、隣地所有者と立ち会って境界を確認・合意します。合意できれば「境界確認書」を取り交わすことで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

Q 隣の木の枝が自分の敷地に入ってきています。切ってもいいですか?
A

勝手に切ってはいけません。まずは隣の所有者に枝を切るようお願いする必要があります。勝手に切ると器物損壊などに問われる恐れがあります。ただし、令和5年の民法改正により、催告しても切らない場合や、所有者が不明な場合などは、自分で切ることができるようになりました。

Q 隣の家の屋根の雪が落ちてきて困っています。
A

隣の所有者に対して、雪止め金具の設置などを求めることができます。民法では、雨水などを直接隣地に注がせるような工作物の設置を禁じており、落雪もこれに準じて考えられます。被害が出ている場合は損害賠償請求も可能ですが、まずは話し合いでの解決を目指すのが望ましいです。

Q 私道を通行するのに通行料を請求されました。
A

通行権の有無や私道の性質によって異なります。建築基準法上の道路であったり、過去から無償で通行していた経緯(通行地役権など)があれば、支払いを拒否できる可能性があります。一方で、単なる他人の土地を通行している場合は支払いが必要なことも。専門家への相談をお勧めします。

Q 隣地でマンション建設が始まり、日当たりが悪くなります。
A

建築基準法等の法令に適合している建築であれば、完全に止めることは困難です。ただし、受忍限度(社会通念上我慢すべき範囲)を超える日照被害や騒音がある場合は、工事の差し止めや損害賠償、設計変更の要求ができる可能性があります。早めに弁護士や自治体に相談しましょう。

Q 「絶対に儲かる」と言われて投資用マンションを買ってしまった。
A

断定的な判断の提供(絶対に儲かる等)による勧誘は消費者契約法違反となり、契約を取り消せる可能性があります。また、宅建業法違反にも該当する可能性があります。サブリース契約の罠なども多いため、一人で悩まずに消費生活センターや弁護士に早急に相談し、対応を検討してください。

Q サブリース契約で家賃を減額されました。違法ですか?
A

違法ではありません。借地借家法により、サブリース業者(借主)には家賃減額請求権が認められています。「家賃保証」と謳っていても、経済状況の変化等を理由に減額されるリスクは常にあります。契約書の内容をよく確認し、納得できない場合は減額に応じず交渉する必要があります。

Q 共有名義の不動産を自分の持分だけ売却できますか?
A

はい、自分の持分だけであれば他の共有者の同意なしに売却可能です。ただし、持分だけを買う人は限られるため、市場価格よりかなり安くなるのが一般的です。不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要です。持分買取の専門業者に相談するか、共有物分割請求訴訟を起こす方法もあります。

Q 離婚するにはどのような方法がありますか?
A

協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つが主な方法です。まずは夫婦間の話し合い(協議)から始め、合意できなければ家庭裁判所の調停を利用します。調停でもまとまらない場合は、最終的に裁判を起こして裁判官に判断してもらうことになります。

Q 相手が離婚に応じてくれない場合、どうすればいいですか?
A

家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。調停委員を交えて話し合いを行いますが、それでも合意できず、かつ法定離婚事由(不貞行為や悪意の遺棄など)がある場合は、離婚裁判を起こして判決で離婚を認めてもらう必要があります。

Q 浮気をされた場合、必ず慰謝料をもらえますか?
A

浮気(不貞行為)があった場合、原則として不貞をされた妻(又は夫)の「法律上保護された利益」が侵害されたものとして慰謝料請求は可能です。ただし、浮気発覚前にすでに夫婦関係が破綻していた場合、破綻していると不貞相手が認識してやむをえない場合などは、慰謝料が認められないこともあります。

Q 慰謝料の相場はどのくらいですか?
A

一般的に数十万円から300万円程度と言われています。浮気の期間や回数、婚姻期間の長さ、精神的苦痛の程度、相手の支払い能力など、様々な要因によって金額は大きく変動します。具体的な金額は個別の事情を考慮して決定されます。

Q 浮気相手にも慰謝料を請求できますか?
A

はい、配偶者だけでなく不貞相手にも請求可能です。ただし、不貞相手が「既婚者であると知らなかった(過失もない)」「婚姻関係が既に破綻していると信じていた(過失もない)」場合には請求できません。

Q 財産分与とは何ですか?
A

婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産を、離婚時に分け合う制度です。原則として半分ずつ(2分の1ルール)分けます。名義がどちらか一方であっても、結婚後に増えた預貯金や不動産、保険の解約返戻金などはすべて対象となります。

Q 結婚前から持っていた貯金も財産分与の対象になりますか?
A

いいえ、結婚前から持っていた財産(特有財産)は対象外です。また、結婚後に親から相続した財産や贈与されたものも、夫婦の協力で築いたものではないため財産分与の対象にはなりません。ただし、結婚後の財産と明確に区別することは極めて困難といえます。

Q 住宅ローンが残っている家はどうなりますか?
A

家の査定額からローン残高を引いた額(アンダーローン)であれば、そのプラス分を分け合います。ローン残高の方が高い(オーバーローン)場合は、財産としての価値がないとみなされ、原則として財産分与の対象から外れます。

Q 親権はどのようにして決まりますか?
A

協議離婚の場合は、夫婦の話し合いで「共同親権」とするか、どちらか一方の「単独親権」とするかを定めます。合意できなければ調停や裁判で決めることになります。裁判所は、これまでの監護状況、子どもの年齢や意思などを総合的に考慮し、子どもの利益を最優先に判断して共同親権か単独親権かを定めます。なお、DVや虐待の恐れがある場合などは単独親権となります。

Q 父親が親権を取ることは難しいですか?
A

法改正により離婚後の「共同親権」が選択可能となったため、父母双方が親権を持つことも可能です。単独親権を争う場合、乳幼児は母親が有利な傾向はありますが、父親がこれまでメインで育児を担ってきた実績や今後の養育環境を具体的に証明できれば、父親が単独親権を獲得できるケースもあります。

Q 養育費の金額はどのように決まりますか?
A

双方の収入や子どもの年齢・人数を基準に算出されます。裁判所が公表している「養育費算定表」を目安に話し合って決めるのが一般的です。私立学校の学費や特別な医療費などがある場合は、算定表の金額に上乗せして請求できることもあります。

Q 相手が養育費を支払わなくなった場合、どうすればいいですか?
A

強制執行(給与や預貯金の差し押さえ)の手続きをとることができます。ただし、そのためには離婚時に「強制執行認諾文言付きの公正証書」を作成しているか、調停調書や判決書などの債務名義があることが条件となります。

Q 面会交流とは何ですか?
A

離れて暮らす親と子どもが、定期的に会ったり連絡を取ったりすることです。子どもの健全な成長のために重要な権利とされています。面会の頻度や方法、場所などは、子どもの負担にならないよう夫婦間で話し合って具体的に取り決めます。

Q 相手に子どもを会わせたくないのですが、拒否できますか?
A

原則として拒否できません。ただし、相手が子どもに暴力を振るう恐れがある場合や、子ども自身が強く面会を拒絶している場合など、「子どもの利益に反する」と認められる正当な理由があれば、面会を制限または禁止できることがあります。

Q 別居中の生活費(婚姻費用)は請求できますか?
A

はい、収入の少ない側から多い側へ請求できます。夫婦には生活レベルを同等に保つ義務(生活保持義務)があるため、別居していても離婚が成立するまでは生活費を分担しなければなりません。養育費算定表と同様の算定表を目安に金額を決めます。

Q 自分が勝手に家を出た場合でも婚姻費用はもらえますか?
A

もらえる可能性はありますが、減額されることがあります。別居の原因が専ら家を出た側(不貞行為をしたなど)にある場合、自分自身の生活費の請求は権利の濫用として認められないことが多いですが、子どもの生活費分は請求可能です。

Q 年金分割とはどのような制度ですか?
A

婚姻期間中の厚生年金記録(納付実績)を、離婚時に夫婦で分け合う制度です。将来受け取る年金額の格差を是正する目的があります。対象となるのは厚生年金部分のみで、国民年金(基礎年金)部分は分割の対象になりません。

Q 年金分割は自動的に行われますか?
A

いいえ、原則として離婚成立後に年金事務所で手続きを行う必要があります。期限は離婚した日の翌日から2年以内です。これを過ぎると分割請求できなくなるため、離婚後は速やかに手続きを行うことが重要です。

Q 婚約を一方的に破棄された場合、慰謝料を請求できますか?
A

正当な理由のない一方的な破棄であれば請求可能です。ただし、慰謝料を請求するには「婚約が成立していたこと」を客観的に証明する必要があります。結納の事実や婚約指輪の授受、親への挨拶、式場の予約などが有力な証拠となります。

Q 交際相手からDVを受けています。どうすればいいですか?
A

まずは身の安全を確保し、警察や配偶者暴力相談支援センターに相談してください。必要に応じて、裁判所に「保護命令(接近禁止命令など)」を申し立てることができます。一人で抱え込まず、専門機関のサポートを受けることが最優先です。

Q 任意整理とはどのような手続きですか?
A

裁判所を通さず、貸金業者と直接交渉して借金を減らす手続きです。将来の利息をカットし、元本のみを3〜5年の分割払いで返済していくのが一般的です。一部の業者だけを整理することも可能なため、保証人がいる借金や車のローンなどを除外して手続きを進めることができます。

Q 任意整理をするとブラックリストに載りますか?
A

はい、信用情報機関に事故情報として登録されます(いわゆるブラックリスト)。登録期間は手続き後約5年間で、その間は新たなクレジットカードの作成やローンの審査に通ることが難しくなります。ただし、一生続くわけではなく、期間が過ぎれば情報は削除されます。

Q 家族や会社に内緒で任意整理できますか?
A

はい、内緒で進めやすい手続きです。裁判所を通さないため、自宅に書類が届いたり、会社に連絡がいったりするリスクが低いです。弁護士や司法書士に依頼すれば、業者からの連絡や督促もストップし、手続きに関する連絡も事務所宛にしてもらうことができるため、周囲に知られにくいです。

Q 任意整理のデメリットは何ですか?
A

一定期間、新たな借入ができなくなることです。信用情報に登録されるため、クレジットカードの利用や新規ローンが組めなくなります。また、元本自体を大幅に減らすことは難しく、あくまで将来の利息カットが中心となるため、借金総額が大きすぎる場合は解決にならないこともあります。

Q 自己破産とはどのような手続きですか?
A

裁判所に申し立てて、借金の支払い義務を免除(免責)してもらう手続きです。税金などを除くすべての借金がゼロになるため、経済的な再出発を根本から図ることができます。ただし、マイホームなどの価値ある財産は手放す必要があり、一定期間就けない職業があるなどの制限も伴います。

Q 自己破産すると家や車はどうなりますか?
A

原則として、価値のある財産は処分され、債権者への返済に充てられます。持ち家は手放すことになり、車もローンが残っていたり価値が高かったりする場合は処分されます。ただし、生活に必要な最低限の財産(99万円以下の現金や生活必需品など)は手元に残すことができます。

Q 自己破産すると戸籍や住民票に載りますか?
A

いいえ、戸籍や住民票に自己破産したことが記載されることはありません。選挙権や年金受給権が失われることもありません。ただし、国の機関紙である「官報」には氏名と住所が掲載されますが、一般の人が官報を日常的に確認することはほとんどないため、知人に知られる可能性は低いです。

Q ギャンブルで作った借金でも自己破産できますか?
A

原則として免責不許可事由に該当しますが、裁量免責が認められるケースが多いです。ギャンブルや浪費が原因の場合、免責(借金をゼロにすること)が認められないのが原則です。しかし、反省の態度を示し、生活再建への意欲が認められれば、裁判官の裁量で免責が許可されることがほとんどです。

Q 自己破産すると保証人に迷惑がかかりますか?
A

はい、保証人に一括請求がいくため迷惑がかかります。本人が自己破産して借金がゼロになっても、保証人の支払い義務は消滅しません。債権者は保証人に対して残りの借金全額を一括で請求することになります。そのため、自己破産する前に保証人に事情を説明し、対応を話し合う必要があります。

Q 個人再生とはどのような手続きですか?
A

裁判所に申し立てて、借金を大幅(5分の1〜10分の1程度)に減額し、原則3年で分割返済する手続きです。最大のメリットは「住宅ローン特則」を利用することで、マイホームを手放さずにその他の借金だけを整理できる点です。安定した収入があることが利用の条件となります。

Q 個人再生と自己破産の違いは何ですか?
A

借金がゼロになるか、減額されて残るかの違いと、財産処分の有無です。自己破産は借金がゼロになりますが価値ある財産を失います。一方、個人再生は借金の一部を返済し続ける必要がありますが、マイホームなどの財産を残すことができます。また、個人再生には職業制限がありません。

Q 個人再生の条件はありますか?
A

はい、将来において継続的に安定した収入を得る見込みがあることが必要です。減額された借金を原則3年間(最長5年)で返済していくため、返済能力が問われます。また、住宅ローンを除く借金総額が5000万円以下であることも条件です。会社員だけでなく、安定収入があればアルバイトでも可能です。

Q 個人再生でも官報に載りますか?
A

はい、自己破産と同様に官報に氏名と住所が掲載されます。ただし、一般の人が官報をチェックしていることは稀なため、官報から周囲に個人再生の事実が知れ渡るリスクはそれほど高くありません。

Q 過払い金とは何ですか?
A

貸金業者に支払い過ぎていた利息のことです。過去に法律の上限を超える金利(グレーゾーン金利)で借入をしていた場合、本来支払う必要のなかった利息を取り戻せる可能性があります。すでに完済している借金でも、最後に取引をした日から10年以内であれば請求できることが多いです。

Q 過払い金請求のデメリットはありますか?
A

完済後の請求であれば、基本的にデメリットはありません。ただし、現在返済中の借金について過払い金請求を行い、計算しても借金が残る場合は「任意整理」扱いとなり、ブラックリストに載ってしまいます。請求先のクレジットカードが使えなくなる点には注意が必要です。

Q 債務整理をすると年金や生活保護に影響しますか?
A

いいえ、年金の受給や生活保護の受給に影響はありません。債務整理をしたことで年金が減らされたり、生活保護を受けられなくなったりすることはありません。むしろ、生活保護費から借金を返済することは認められていないため、受給前に自己破産などで借金を整理するよう指導されることが多いです。

Q 弁護士と司法書士、どちらに依頼すべきですか?
A

借金の額や手続き内容によって異なります。司法書士は1社あたりの借金が140万円以下の場合のみ代理人になれますが、自己破産や個人再生では裁判所の代理人になれず書類作成のみの支援となります。140万円を超える場合や、裁判所の手続きをすべて任せたい場合は弁護士への依頼をお勧めします。

Q 債務整理の費用が払えない場合はどうすればいいですか?
A

法テラスの利用や、分割払い対応の事務所に相談しましょう。法テラス(日本司法支援センター)を利用すれば、弁護士費用の立て替え制度(民事法律扶助)を利用でき、月々数千円ずつの分割払いが可能です。また、多くの法律事務所が着手金の分割払いや後払いに対応しています。

Q 督促の電話や手紙をすぐに止めることはできますか?
A

はい、弁護士や司法書士に依頼すれば最短即日でストップします。専門家が貸金業者に「受任通知」を送付すると、法律により業者から本人への直接の取り立てや連絡が禁止されます。督促のストレスから解放され、落ち着いて生活を立て直しながら手続きを進めることができます。

Q 家族の借金を代わりに債務整理できますか?
A

いいえ、原則として本人が手続きをする必要があります。家族であっても、本人の同意なしに勝手に債務整理を行うことはできません。ただし、本人が認知症などで判断能力がない場合は、成年後見制度を利用して後見人が代わりに手続きを進めることができる場合があります。

Q タイムカードがない場合、残業代は請求できませんか?
A

請求できる可能性は十分にあります。
タイムカードがなくても、パソコンのログイン・ログアウト記録、業務メールの送信履歴、交通系ICカードの履歴、手書きの業務日報やメモなどが労働時間の証拠となります。
日頃からこれらの証拠を客観的に残しておくことが重要です。

Q 「みなし残業代」が含まれていると言われ、残業代が出ません。違法ですか?
A

違法となるケースが多いです。
みなし残業代(固定残業代)制度を導入していても、あらかじめ定められた時間を超えて残業した分については、会社は別途残業代を支払う義務があります。
固定残業代を超える労働時間分の支払いがなければ、差額を請求することができます。

Q 突然「明日から来なくていい」と解雇されました。どうすればいいですか?
A

不当解雇の可能性が高いため、まずは「解雇理由証明書」を会社に請求してください。
法律上、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効です。
また、原則として30日前の予告か、解雇予告手当の支払いが必要です。
安易に退職に合意しないことが大切です。

Q 業績悪化を理由にリストラ(整理解雇)されそうです。拒否できますか?
A

条件を満たしていない整理解雇は無効を主張できます。
整理解雇が有効となるには、①人員削減の必要性、②解雇回避の努力義務、③人選の合理性、④手続きの妥当性という4要件(要素)を満たす必要があります。
会社がこれらの努力を十分に尽くしていない場合は、不当解雇として争う余地があります。

Q 会社が退職届を受け取ってくれません。辞められないのでしょうか?
A

法律上、辞めることは可能です。
正社員(期間の定めのない雇用契約)の場合、民法上は退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば、会社の承諾がなくても自動的に退職の効力が生じます。
受け取ってもらえない場合は、内容証明郵便で退職届を郵送し、証拠を残すことが有効です。

Q 退職時に有給休暇をまとめて消化することはできますか?
A

はい、原則として消化できます。
労働者には有給休暇を取得する権利があり、退職予定日までの期間に残りの有給を充てることは正当な権利です。
会社は「時季変更権」を持っていますが、退職日を超えての変更はできないため、退職時のまとめ取りを拒否することは実質的にできません。

Q 会社から「うちには有給休暇はない」と言われました。本当ですか?
A

労働基準法違反であり、有給休暇は存在します。
業種や会社の規模に関わらず、雇入れの日から6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤していれば、法律により当然に有給休暇が付与されます。
パートやアルバイトであっても、労働日数や時間に応じた日数の有給休暇が与えられます。

Q 有給休暇を取得する際、理由を詳しく聞かれます。答える義務はありますか?
A

答える義務はありません。
有給休暇の取得理由は原則として自由であり、理由によって会社が取得を拒否したり、不利益な扱いをしたりすることは法律で禁じられています。
「私用のため」という理由で十分であり、会社がしつこく理由を詮索することはパワハラに該当する可能性もあります。

Q 上司から日常的に暴言を吐かれています。パワハラとして訴えることはできますか?
A

訴えることは可能です。
職場における優越的な関係を背景とした言動で、業務の適正な範囲を超え、精神的・身体的苦痛を与えるものはパワハラに該当します。
まずは暴言の録音や、いつ・どこで・何を言われたかの詳細なメモを残し、会社の相談窓口や労働基準監督署、弁護士に相談してください。

Q パワハラが原因でうつ病になり退職しました。会社に損害賠償を請求できますか?
A

請求できる可能性があります。
会社には労働者が安全で健康に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)があり、パワハラを放置していた場合はこの義務に違反したとみなされます。
パワハラと発症の因果関係を証明するため、医師の診断書やパワハラの証拠を集め、専門家に相談しましょう。

Q 職場の飲み会でお酌を強要されたり、身体を触られたりします。セクハラですか?
A

明確なセクハラ(セクシュアルハラスメント)に該当します。
労働者の意に反する性的な言動であり、拒否したことで不利益を受けたり、就業環境が害されたりする場合は違法です。
会社にはセクハラ防止措置義務があるため、まずは会社の相談窓口に申告し、改善を求めることができます。

Q 通勤途中に階段で転んで骨折しました。労災は適用されますか?
A

通勤災害として労災保険が適用される可能性が高いです。
自宅と職場の合理的な経路・方法での移動中に起きた事故は「通勤災害」となります。
ただし、私用で大きく経路を外れたり、長時間寄り道をしたりした後の事故は適用外となることがあります。
速やかに会社に報告し手続きを行いましょう。

Q 会社が「労災を使うな」と言って手続きをしてくれません。どうすればいいですか?
A

会社を通さずに自分で労働基準監督署に申請できます。
労災の手続きは原則として会社が行いますが、会社が協力しない場合(労災隠し)は、労働者自身が直接労働基準監督署に書類を提出することが可能です。
労災隠しは犯罪行為であり、会社には罰則が科される可能性があります。

Q 入社時に聞いていた給料や労働条件と、実際の条件が違います。
A

即座に労働契約を解除(退職)することができます。
労働基準法では、明示された労働条件が事実と異なる場合、労働者は即時に契約を解除できると定めています。
また、会社に対して本来の条件での履行を求めたり、条件の相違によって損害を受けた場合は損害賠償を請求したりすることも可能です。

Q 正社員からパートへの変更を強要されています。応じなければなりませんか?
A

応じる義務はありません。
労働条件の不利益変更は、原則として労働者本人の合意が必要です。
会社が一方的に正社員からパートへ雇用形態を変更し、賃金などを引き下げることは無効となります。
無理に同意書にサインさせられそうになっても、きっぱりと拒否することが重要です。

Q ミスを理由に給料を減らされました。違法ではありませんか?
A

違法となる可能性が高いです。
就業規則に減給の制裁規定がある場合でも、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならないという法律の制限があります。
また、ミスの程度に対して重すぎる処分(権利の濫用)は無効となります。

Q 突然、遠方への転勤を命じられました。家族の介護があるのですが断れますか?
A

断れる可能性があります。
会社には配置転換を命じる権利がありますが、それが権利の濫用にあたる場合は無効です。
特に、労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益(重い病気の家族の介護ができなくなる等)が生じる場合は、配転命令が無効と判断されるケースがあります。

Q 試用期間中であることを理由に、突然クビだと言われました。
A

試用期間中であっても、正当な理由のない解雇は無効です。
入社から14日を超えている場合は、本採用後と同様に30日前の解雇予告か解雇予告手当の支払いが必要です。
「少し能力が足りない」「社風に合わない」といった曖昧な理由での解雇は認められにくく、不当解雇として争えます。

Q 契約社員として5年以上働いています。正社員になれますか?
A

無期雇用への転換を申し込むことができます。
労働契約法により、同一の使用者との間で有期労働契約が更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申し込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールがあります。
ただし、自動的に「正社員」になるわけではありません。

Q パートですが、正社員と同じ仕事をしているのに待遇に差があります。
A

「同一労働同一賃金」の原則に違反する可能性があります。
職務内容や配置の変更範囲が正社員と全く同じであれば、差別的取扱いは禁止されています。
また、違いがある場合でも、不合理な待遇差を設けることは法律で禁じられています。
会社に待遇差の理由について説明を求めることができます。

Q 逮捕されたらどうなりますか?
A

まず警察署に留置され、取り調べを受けます。逮捕後48時間以内に検察官に送致され、さらに24時間以内に勾留(最大20日間の身体拘束)が請求されるか釈放されるかが決まります。早期に弁護士を呼ぶことが重要です。

Q 逮捕と書類送検の違いは何ですか?
A

身体拘束の有無が最大の違いです。逮捕は警察署などに身体を拘束されて取り調べを受けますが、書類送検(在宅事件)は身体を拘束されず、普段通りの生活を送りながら警察や検察の呼び出しに応じて取り調べを受けます。

Q 家族が逮捕されたら面会できますか?
A

逮捕直後は原則として弁護士しか面会できません。検察官に送致され「勾留」が決定した後であれば、一般的に家族も面会可能になります。ただし、「接見禁止」という処分がついている場合は、勾留後も弁護士以外は面会ができないことがあります。

Q 国選弁護人と私選弁護人の違いは何ですか?
A

費用と選任のタイミングが異なります。国選弁護人は国が費用を負担(原則無料)しますが、勾留決定後などでないと呼べず、弁護士は選べません。私選弁護人は自費ですが、逮捕直後から依頼でき、自由に弁護士を選ぶことができます。

Q 前科と前歴の違いは何ですか?
A

有罪判決を受けたかどうかの違いです。前科は、裁判で有罪判決(罰金や執行猶予を含む)が確定した経歴を指します。前歴は、逮捕されたり捜査の対象になったりしたものの、不起訴処分などで有罪にならなかった経歴です。

Q 示談とは何ですか?
A

加害者と被害者が話し合いで事件を解決することです。加害者が被害者に謝罪と賠償金(示談金)を支払い、被害者が処罰を望まない旨の合意をします。示談が成立すると、不起訴処分や刑の減軽に大きく有利に働きます。

Q 不起訴処分とは何ですか?
A

検察官が裁判(起訴)を行わないと決定することです。不起訴になると刑事手続きは終了し、前科はつきません。証拠不十分のほか、犯罪の事実はあっても、示談の成立や本人の反省などを考慮して不起訴(起訴猶予)になることもあります。

Q 執行猶予とはどのような制度ですか?
A

刑務所に行かずに社会でやり直す機会を与える制度です。例えば「懲役1年、執行猶予3年」の場合、3年間罪を犯さなければ懲役1年の刑は消滅します。ただし、期間中に再び罪を犯すと、猶予が取り消されて刑務所に入ることになります。

Q 罰金刑でも前科になりますか?
A

はい、罰金刑でも前科になります。交通違反の反則金(青切符)は前科になりませんが、略式命令などによる罰金刑(赤切符や一般的な刑事事件)は、有罪判決の一つであるため、履歴書の賞罰欄に記載する必要が生じるなど影響があります。

Q 警察からの呼び出しは拒否できますか?
A

任意の呼び出しであれば拒否は可能ですが、お勧めしません。正当な理由なく拒否し続けると、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断され、逮捕状が請求されて強制的に逮捕されるリスクが高まるため、素直に応じるのが無難です。

Q 取調べで黙秘権を使うと不利になりますか?
A

法律上、黙秘したこと自体で不利に扱われることはありません。しかし、事実を否認していると捉えられ、反省していないとして勾留が長引くリスクはあります。黙秘を含む方針については、弁護士と相談のうえ決めるべきです。

Q 自首すると刑は軽くなりますか?
A

刑が軽くなる(減軽される)可能性があります。警察が事件や犯人を特定する前に自ら名乗り出ることが「自首」です。必ず減軽されるわけではありませんが、反省の態度を示すことになり、逮捕の回避や処分を軽くする上で有利に働きます。

Q 痴漢を疑われたらどうすればいいですか?
A

決して逃げず、その場で弁護士を呼ぶか連絡してください。やっていない場合は毅然と否認し、安易に妥協して自白しないことが重要です。早期に弁護士に介入してもらい、客観的な証拠を集める必要があります。

Q 未成年の犯罪はどう裁かれますか?
A

原則として少年法が適用され、家庭裁判所で審判を受けます。成人のような刑罰(懲役など)ではなく、保護観察や少年院送致などの「保護処分」で更生を目指すのが特徴です。ただし、重大な犯罪の場合は成人と同じ刑事裁判になることもあります。

Q 告訴と被害届の違いは何ですか?
A

処罰を求める意思表示があるかどうかが違います。被害届は「犯罪の事実を警察に申告する」ものですが、告訴はそれに加えて「犯人の処罰を強く求める」ものです。親告罪(名誉毀損など)は、告訴がないと起訴できません。

Q 裁判員裁判とは何ですか?
A

一般市民が裁判員として刑事裁判に参加する制度です。殺人や強盗致傷など、一定の重大な犯罪が対象となります。プロの裁判官3名と、くじで選ばれた市民6名が一緒に審理し、有罪・無罪や刑の重さ(量刑)を決定します。

Q 保釈とはどのような制度ですか?
A

起訴された後、保釈保証金を納めることで一時的に身柄を解放される制度です。逃亡や証拠隠滅をしないことが条件で、裁判が終われば保証金は返還されます。逮捕・勾留中(起訴前)には保釈の制度は利用できません。

Q 刑事事件の時効はどれくらいですか?
A

犯罪の重さによって異なります。例えば、窃盗罪は7年、傷害罪は10年です。ただし、殺人などの人を死亡させた重大犯罪については、法改正により公訴時効が廃止されており、何年経っても起訴される可能性があります。

Q 冤罪(えんざい)を防ぐにはどうすればいいですか?
A

やっていないことは絶対に認めず、すぐに弁護士に相談することが最も重要です。長時間の取り調べで精神的に追い詰められ、虚偽の自白をしてしまうケースが多いです。弁護士のアドバイスを受け、不利な調書には署名・押印しないことが大切です。

Q 刑事裁判の期間はどれくらいですか?
A

事件の複雑さや争いの有無によります。事実を認めている簡単な事件であれば、起訴から1〜2ヶ月で判決が出ることが多いです。しかし、無罪を主張したり、証拠が複雑な事件では、半年から1年以上かかることも珍しくありません。

Q ネットで悪口を書かれました。訴えることはできますか?
A

はい、名誉毀損や侮辱罪などで訴えることができる可能性があります。書き込まれた内容が事実無根で社会的評価を下げるものであったり、公然と侮辱するものであれば、損害賠償請求や刑事告訴が可能です。まずは証拠となる画面のスクリーンショットやURLを保存し、早めに弁護士にご相談ください。

Q 掲示板の悪質な書き込みを消してもらうにはどうすればいいですか?
A

サイト管理者やプロバイダに対して削除請求を行います。サイトの利用規約違反や権利侵害を理由に、問い合わせフォームやメール、郵送などで削除を求めます。管理者が応じない場合は、裁判所に「削除仮処分命令」を申し立てる法的手続きが必要になることもあります。

Q 匿名のアカウントで誹謗中傷してきた相手を特定できますか?
A

はい、発信者情報開示請求という手続きで特定できる可能性があります。まずサイト管理者にIPアドレスなどの開示を求め、次にその情報からプロバイダ(携帯キャリアなど)を特定し、契約者の氏名や住所の開示を求めます。プロバイダ責任制限法の改正により、手続きが迅速化されています。

Q 誹謗中傷の慰謝料の相場はどれくらいですか?
A

数十万円から100万円程度が一般的な相場ですが、ケースにより大きく異なります。名誉毀損か侮辱か、個人の被害か企業の営業妨害か、書き込みの悪質性や拡散の程度などによって金額は変動します。企業に対する深刻な風評被害の場合は、数百万円以上の賠償が認められることもあります。

Q 犯人特定にかかる弁護士費用はどれくらいですか?
A

一般的に着手金と報酬金合わせて数十万円~百万円程度かかることが多いです。サイト管理者への請求とプロバイダへの請求の2段階の手続きが必要になるため、費用がかさむ傾向があります。相手が特定できれば、かかった弁護士費用の一部を損害賠償として相手に請求できる場合もあります。

Q 誹謗中傷で警察は動いてくれますか?
A

悪質性が高い場合や脅迫などの場合は動いてくれる可能性があります。単なる悪口では民事不介入とされることも多いですが、殺害予告(脅迫罪)や業務妨害(偽計業務妨害罪)などに該当する場合は、刑事事件として捜査されることがあります。

Q 過去の書き込みでも訴えることはできますか?
A

時効が成立していなければ可能です。損害賠償請求(不法行為)の時効は、被害者または法定代理人が損害および加害者を知った時から3年です。ただし、プロバイダの通信ログ(記録)は通常3〜6ヶ月程度で消去されてしまうため、相手を特定するための手続きは書き込みから数ヶ月以内に迅速に行う必要があります。

Q 他人の誹謗中傷をリツイート(拡散)しただけでも罪になりますか?
A

はい、リツイートしただけでも名誉毀損などに問われる可能性があります。自身の言葉で書き込んでいなくても、他人の権利を侵害する内容を拡散・賛同したとみなされ、損害賠償の対象になった判例があります。SNSでの安易な拡散や「いいね」にも注意が必要です。

Q 勝手に顔写真や本名をネットに公開されました。どうすればいいですか?
A

肖像権やプライバシー権の侵害として、削除請求や損害賠償請求が可能です。本人の許可なく私生活上の情報を公開することは違法となる可能性が高いです。まずはサイト管理者へ削除依頼を行い、悪質な場合は発信者情報開示請求を経て相手を特定し、法的措置をとることを検討します。

Q 自分のイラストや文章が無断転載されています。対処法は?
A

著作権侵害として、削除請求や損害賠償請求を行うことができます。まずは無断転載しているサイトの管理者やサーバー運営会社に対し、著作権法に基づく送信防止措置依頼(削除依頼)を行います。相手を特定して賠償を求める場合は、発信者情報開示請求の手続きが必要になります。

Q 会社の根も葉もない噂を書かれ、売上が減りました。賠償請求できますか?
A

はい、名誉毀損や偽計業務妨害として損害賠償を請求できる可能性があります。虚偽の書き込みによって企業の社会的評価が低下し、実際の売上減少などの損害が生じた場合、その因果関係を証明できれば、慰謝料だけでなく逸失利益(得られるはずだった利益)の賠償を求められることもあります。

Q 誹謗中傷の証拠はどのように残せばいいですか?
A

画面のスクリーンショットとURLを保存することが最も重要です。書き込み内容だけでなく、投稿日時、投稿者のアカウント名やID、そして対象となるページのURL全体がはっきりとわかるように保存してください。書き込みが削除される前に、可能な限り早く証拠を確保することが肝心です。

Q SNSで執拗に付きまとわれています。警察に相談すべきですか?
A

はい、身の危険を感じる場合はすぐに警察に相談してください。ストーカー規制法の対象となる行為(つきまとい、連続したメッセージの送信など)であれば、警察から警告や禁止命令を出してもらえる可能性があります。証拠となるメッセージの履歴などは消さずに保存しておきましょう。

Q 元交際相手にプライベートな写真をばらまかれそうです。
A

すぐに警察や弁護士に相談し、早急な対処が必要です。リベンジポルノ防止法違反や名誉毀損罪などに該当する犯罪行為です。すでに公開されてしまった場合は、一刻も早くサイト管理者へ削除請求を行うとともに、警察への被害届提出や相手への損害賠償請求などの法的手続きを進めます。

Q 過去の逮捕歴のニュース記事を検索結果から消せますか?
A

状況によっては削除が認められる可能性があります。時間の経過や現在の生活状況、更生の程度などを考慮し、プライバシー保護の必要性が、情報を公開し続ける公益性を上回ると判断された場合、検索エンジンに対して検索結果からの削除を求めることができます。

Q お店の口コミサイトに事実と異なる悪評を書かれました。
A

営業妨害や名誉毀損として、サイト運営者に削除を求めることができます。単なる感想や評価ではなく、明らかに虚偽の事実に基づく悪評であれば、利用規約違反として削除される可能性が高いです。悪質で被害が大きい場合は、発信者情報開示請求で投稿者を特定し、法的措置をとることも検討します。

Q ネットで誹謗中傷してしまい、開示請求の意見照会書が届きました。
A

無視せず、早急に弁護士に相談して対応を検討してください。意見照会書は、プロバイダがあなたの情報を開示してよいか確認するものです。無視すると開示される可能性が高まります。自身の書き込みが権利侵害に当たるか判断し、必要であれば被害者との示談交渉などを進める必要があります。

Q 誹謗中傷の加害者と示談したいのですが、直接連絡してもいいですか?
A

直接の連絡は避け、弁護士を間に立てることを強くお勧めします。当事者同士の話し合いは感情的になりやすく、新たなトラブルに発展する恐れがあります。弁護士が介入することで、冷静かつ法的に適切な条件で示談をまとめることができ、その後の再発防止の約束なども確実に取り交わすことができます。

Q ネット通販で商品が届かず、サイトも消えました。お金は戻りますか?
A

警察への被害届と、銀行やクレジットカード会社への連絡を急いでください。振り込め詐欺救済法に基づき、相手の口座が凍結されれば被害金の一部が戻る可能性があります。クレジットカード決済の場合は、カード会社に「チャージバック(支払い取り消し)」を申請することで返金されることもあります。

Q 子どもがSNSで誹謗中傷の加害者になってしまいました。
A

親権者として、被害者への謝罪と賠償の責任を負う可能性があります。未成年者であっても、他人の権利を侵害すれば不法行為責任が生じます。子どもに責任能力がないと判断された場合でも、親の監督義務違反として損害賠償を請求されることがあります。速やかに弁護士に相談し、誠実な対応を心がけましょう。

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