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法人関連FAQのQ&A

Q 不正を行った取締役を解任したいのですが、どのような手続きが必要ですか?
A

取締役の解任は、いつでも株主総会の普通決議(議決権の過半数が出席し、出席株主の議決権の過半数の賛成)によって行うことができます。ただし、正当な理由なく解任した場合は、会社が損害賠償請求を受けるリスクがあります。

Q 監査役が機能しておらず、取締役の違法行為を見逃している場合、どうすればよいですか?
A

監査役が任務を怠り会社に損害を与えた場合、会社や株主は監査役に対して損害賠償を請求できます。また、監査役の監査が不十分であると判断される場合は、株主総会で新たな監査役を選任したり、外部の専門家による調査を実施したりするなどの対応が考えられます。

Q 退職予定の従業員による顧客情報の持ち出しを防ぐには、どのような対策が有効ですか?
A

在職中からアクセス権限の管理やログの監視を徹底することが重要です。退職時には、秘密保持誓約書を提出させ、会社の情報資産をすべて返還したことを確認します。また、競業避止義務契約を締結することで、同業他社への転職による情報漏洩リスクを軽減できます。

Q 代表取締役と他の取締役の間で経営方針を巡り対立が生じています。法的な解決手段はありますか?
A

取締役会設置会社であれば、取締役会の過半数の賛成により、代表取締役を解職(代表権を剥奪)することができます。ただし、取締役としての地位は失われないため、取締役から解任するには株主総会の決議が必要です。

Q 社内で横領などの不祥事が発覚した場合、初期対応として何をすべきですか?
A

まずは事実関係を客観的に調査するため、社内調査委員会(事案によっては外部の弁護士等を含む第三者委員会)を設置します。証拠隠滅を防ぐための措置を講じるとともに、被害の拡大防止、関係当局への報告、適時開示などの対応を迅速に行う必要があります。

Q 株主から会計帳簿の閲覧請求がありました。拒否することはできますか?
A

総株主の議決権の3%以上を有する株主からの請求であっても、請求が株主の権利の確保や行使に関する調査以外の目的である場合や、会社の業務を妨害する目的である場合など、会社法が定める拒否事由に該当すれば拒否することができます。

Q 取締役が会社の承認を得ずに、会社と競合する事業を営んでいることが判明しました。どう対応すべきですか?
A

取締役の競業避止義務違反に該当します。会社は、当該取締役に対して競業行為の差し止めを請求できるほか、会社が被った損害の賠償を請求できます。また、取締役の解任事由にも該当します。

Q 内部監査部門はどのような役割を担うべきですか?
A

内部監査部門は、経営目標の達成に向けて、業務が法令や社内規程に従って適正かつ効率的に行われているかを独立した立場で評価・検証する役割を担います。問題点を発見した場合は経営陣に報告し、改善に向けた提言を行います。

Q 会社が取締役に対して損害賠償を請求する場合、誰が会社を代表して訴訟を行いますか?
A

会社が取締役を訴える場合、監査役設置会社においては監査役が会社を代表します。監査役非設置会社の場合は、株主総会が会社を代表する者を定めます。

Q 従業員の不適切なSNS投稿による炎上リスクを防ぐため、どのようなルールを設けるべきですか?
A

ソーシャルメディア利用ガイドラインを策定し、業務上知り得た機密情報や個人情報を発信しないこと、会社を代表するような発言を控えること、他者の権利を侵害しないことなどを明確に規定し、従業員教育を徹底することが重要です。

Q 会社の資金繰りが厳しくなってきました。弁護士に相談するタイミングはいつが良いですか?
A

資金ショートが現実味を帯びる前、できるだけ早い段階でのご相談をお勧めします。早期であれば、リスケジュール(返済条件の変更)や私的整理、民事再生など、破産を回避して事業を継続できる選択肢が多く残されています。

Q 資金繰り予定表とは何ですか?なぜ作成する必要があるのでしょうか?
A

資金繰り予定表は、将来の現金の収入と支出の予定を月別や日別にまとめた表です。これを正確に作成することで、いつ資金が不足するかを可視化でき、金融機関へのリスケ交渉や経営改善計画の策定において必須の資料となります。

Q 銀行への返済が苦しい場合、リスケジュール(リスケ)はどのように進めるのですか?
A

資金繰り予定表や経営改善計画書を作成し、それをもとにメインバンクをはじめとする取引金融機関と交渉します。元本の返済猶予や金利の減免などを求めますが、全行横並びの同意(バンクミーティング等)を得ることが一般的です。

Q 資金調達の方法として「少人数私募債」というものを聞きましたが、どのような制度ですか?
A

少人数私募債は、親族や取引先など50名未満の縁故者に対して社債を発行し、資金を調達する方法です。金融機関を通さないため無担保で発行でき、社債発行の要件を満たせば中小企業でも比較的容易に資金調達が可能な手段の一つです。

Q 私的整理とはどのような手続きですか?法的整理とは何が違うのでしょうか?
A

私的整理は、裁判所を通さず、金融機関などの債権者と直接協議して債務の減免や猶予を取り決める手続きです。法的整理(破産や民事再生など)に比べて手続きが柔軟で非公開で行われるため、事業価値の毀損を防ぎやすいというメリットがあります。

Q 中小企業再生支援協議会(現在の活性化協議会)を利用した再生とはどのようなものですか?
A

公的機関である中小企業活性化協議会が、中立的な立場で企業と金融機関の間に入り、経営改善計画の策定支援や調整を行う制度です。専門家のサポートを受けながら、透明性の高い私的整理を進めることができます。

Q 会社の再建を目指す「民事再生」とはどのような手続きですか?
A

民事再生は、裁判所の監督の下、原則として現在の経営陣が引き続き経営を行いながら、債権者の同意を得て再生計画を定め、債務を大幅に圧縮して事業の再建を図る法的整理手続きです。

Q 民事再生手続き中の資金繰り(DIPファイナンス)はどのように確保するのですか?
A

民事再生を申し立てると従来の借り入れは難しくなるため、申立前からの現預金の確保や、スポンサー企業からの資金支援、または金融機関からのDIPファイナンス(再生手続き中の企業向け融資)を利用して当面の運転資金を確保します。

Q 会社更生と民事再生の違いは何ですか?
A

どちらも再建型の法的整理ですが、会社更生は株式会社のみが対象で、経営陣は退任し、裁判所が選任した更生管財人が経営権を掌握します。また、担保権者の権利行使も制限されるなど、より強力で厳格な手続きとなります。

Q 事業の一部だけを切り出して再生することは可能ですか?
A

はい、可能です。収益性の高い優良な事業部門のみを、会社分割や事業譲渡によって別会社(スポンサー企業や新設会社)に引き継がせ、不採算部門や過大な負債を旧会社に残して清算する手法(第二会社方式など)がよく用いられます。

Q どうしても再建が難しい場合、法人破産の手続きはどのように進みますか?
A

裁判所に破産手続開始の申し立てを行うと、破産管財人が選任されます。管財人が会社の財産を換価・処分し、債権者に公平に配当を行った後、法人は消滅します。従業員は解雇となり、事業は停止するのが原則です。

Q 法人破産を申し立てるための費用はどのくらいかかりますか?
A

裁判所に納める予納金(管財人報酬に充てられるもの。負債総額等により数十万円~数百万円)と、弁護士費用が必要です。手元資金が枯渇する前にご相談いただくことが、円滑な手続きのために極めて重要です。

Q 会社が破産すると、代表取締役である私の個人の財産はどうなりますか?
A

会社と代表者個人は別の人格であるため、原則として会社の債務を個人が被ることはありません。ただし、代表者が会社の連帯保証人になっている場合(経営者保証)は、代表者個人も自己破産などの債務整理を行うのが一般的です。

Q 「経営者保証に関するガイドライン」とは何ですか?これを利用するとどうなりますか?
A

一定の要件を満たす場合、代表者が個人の自己破産を回避しつつ、保証債務の整理を行えるルールです。手元に一定の財産(インセンティブ資産等)を残せる可能性があり、経営者の再起を後押しするための重要な制度です。

Q 破産管財人とはどのような役割を持つ人ですか?
A

裁判所から選任された中立的な立場の弁護士で、破産会社の財産を管理・処分し、債権の調査や配当を行います。また、破産に至った経緯や役員の責任の有無などについても調査を行います。

Q 会社を破産させる場合、従業員の未払い給与はどうなりますか?
A

未払い給与や退職金は、破産手続きの中で優先的に配当を受ける権利(優先的破産債権や財団債権)となります。また、国の「未払賃金立替払制度」を利用することで、未払い賃金の一定割合(最大8割)を労働者健康安全機構から立て替え払いしてもらえる場合があります。

Q 破産手続きにおいて、特定の債権者(親族や知人など)にだけ優先して返済することはできますか?
A

できません。特定の債権者にだけ返済する行為(偏頗弁済:へんぱべんさい)は、債権者平等の原則に反するため禁止されています。発覚した場合、破産管財人によって否認(効力を取り消して財産を取り戻すこと)される対象となります。

Q 法人破産をする際、取引先への連絡はどのタイミングで行うべきですか?
A

事前に連絡すると混乱を招き、一部の債権者による強引な債権回収や商品の引き揚げを引き起こすリスクがあります。そのため、弁護士が代理人として受任した直後(受任通知の発送時)や、裁判所への申し立てと同時に一斉に通知するのが一般的です。

Q 「特別清算」とは破産と何が違うのですか?
A

特別清算は、株式会社が解散した後、債務超過の疑いがある場合に行われる清算手続きです。破産よりも手続きが簡易で迅速に進むことが多いですが、債権者集会で債権者の3分の2以上の同意を得て協定を可決する必要があるため、親会社が子会社を整理する場合など、債権者の協力が得やすい事案で利用されます。

Q 債務免除(借金の免除)を受けた場合、税金はかかりますか?
A

私的整理などで債務免除を受けた場合、その免除額は「債務免除益」として法人の益金となり、原則として法人税の課税対象となります。ただし、過去の繰越欠損金と相殺したり、一定の要件を満たすことで期限切れ欠損金を利用して課税を回避する税務上の手当てが重要になります。

Q 労働条件通知書は必ず書面で交付しなければなりませんか?電子メール等でも可能ですか?
A

原則として書面での交付が必要ですが、労働者が希望した場合には、電子メールやSNS等の電磁的方法による明示も認められています。ただし、出力して書面を作成できるものである必要があります。

Q パートタイマーやアルバイトに対しても労働条件通知書を交付する必要はありますか?
A

はい、必要です。パートタイム・有期雇用労働法に基づき、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口など、正社員よりも明示すべき事項が追加されているため注意が必要です。

Q 採用内定を出した後、会社の業績悪化を理由に内定を取り消すことはできますか?
A

内定により労働契約が成立していると解される場合、内定取消しは解雇に該当します。業績悪化による内定取消しは、整理解雇の4要件(人員削減の必要性、解雇回避努力義務の尽力、人選の合理性、手続きの妥当性)を満たす必要があり、容易ではありません。

Q 内定者が入社前研修に参加しない場合、内定を取り消すことは可能ですか?
A

入社前研修への参加が業務命令として強制力を持つかどうかがポイントになります。労働契約の効力発生前(入社日前)であれば業務命令権はなく、参加しないことのみを理由とした内定取消しは無効となる可能性が高いです。

Q 管理職には残業代(時間外割増賃金)を支払わなくてもよいと聞きましたが、本当ですか?
A

労働基準法上の「管理監督者」に該当すれば、時間外・休日労働の割増賃金の支払いは不要です。しかし、単に「店長」や「課長」という役職名だけでなく、職務内容、権限、勤務態様、待遇面から実質的に判断されるため、名ばかり管理職には注意が必要です。

Q 従業員が勝手に居残って仕事をしている場合でも、残業代を支払う必要がありますか?
A

会社が残業を明示的に禁じておらず、業務上の必要があるために居残っている事実を黙認していた場合、黙示の業務命令があったとみなされ、残業代の支払い義務が生じる可能性が高いです。残業許可制の徹底が重要です。

Q 固定残業代(みなし残業代)制度を導入すれば、それ以上の残業代を支払う必要はなくなりますか?
A

いいえ、支払う必要があります。固定残業代として設定した時間を超えて時間外労働が行われた場合には、その超過分について別途割増賃金を支払う義務があります。

Q 固定残業代制度を有効に導入するための要件は何ですか?
A

就業規則や雇用契約書において、①基本給部分と固定残業代部分が明確に区分されていること、②固定残業代が何時間分の時間外労働に対する割増賃金であるかが明示されていること、③超過分は別途支給する旨が規定されていることが必要です。

Q 退職した従業員から未払い残業代の請求を内容証明郵便で受けました。どう対応すべきですか?
A

まずは請求内容とタイムカード等の客観的な記録を照合し、未払い残業代の有無と正確な金額を確認します。事実関係を調査した上で、支払うべきものがあれば速やかに支払い、請求額に争いがある場合は根拠を示して交渉または法的手続きで対応します。無視することは避けてください。

Q 管理職(課長)から「名ばかり管理職」として残業代を請求されました。支払う必要はありますか?
A

労働基準法上の「管理監督者」に該当しない場合は支払う必要があります。管理監督者に該当するかどうかは、役職名ではなく、①経営者と一体的な立場にあるか、②労働時間についての裁量があるか、③地位にふさわしい待遇(給与・賞与等)を受けているか、の実態から厳格に判断されます。

Q 会社が従業員の健康診断の費用を負担する義務はありますか?また、受診時間中の賃金はどうなりますか?
A

労働安全衛生法に基づく定期健康診断の費用は会社が負担する義務があります。受診時間中の賃金については法律上の支払い義務はありませんが、労使協議等により有給とするのが望ましいとされています(特殊健康診断は有給とする必要があります)。

Q 従業員が通勤途中に交通事故に遭いました。労災保険は適用されますか?
A

合理的な経路および方法による通勤中の事故であれば、通勤災害として労災保険が適用されます。ただし、通勤途中に私用で経路を大きく外れた場合(逸脱・中断)は、その後の事故については原則として適用されません。

Q 女性従業員から妊娠の報告を受けました。会社としてどのような配慮が必要ですか?
A

労働基準法や男女雇用機会均等法に基づき、産前産後休業の付与、軽易な業務への転換、時間外・休日労働の制限、深夜業の制限、妊産婦のための保健指導等を受診するための時間の確保などの措置を講じる義務があります。また、妊娠・出産を理由とする不利益取り扱い(マタハラ)は厳格に禁止されています。

Q うつ病で休職中の従業員から復職の申し出がありましたが、まだ治っていないように見えます。どう対応すべきですか?
A

主治医の診断書だけでなく、産業医や会社指定の専門医による面談を実施し、客観的な復職可能の判断を行うことが重要です。就業規則に基づき、試し出勤制度などを活用して慎重に判断すべきです。

Q ハラスメント(パワハラ・セクハラ等)の申告があった場合、会社としてどのような初動対応が必要ですか?
A

迅速かつ適切な事実確認が求められます。申告者だけでなく、行為者とされる者や第三者からもヒアリングを行い、客観的な事実関係を把握します。その間、申告者のプライバシー保護や不利益取り扱いの禁止を徹底し、必要に応じて当事者間の引き離し措置を講じます。

Q セクハラの被害申告がありましたが、加害者とされる従業員は事実を否認しています。どうすればよいですか?
A

双方から個別に詳細なヒアリングを行い、目撃者やメール・LINEの履歴などの客観的証拠を収集して事実関係を慎重に調査します。事実が確認できない場合でも、職場環境の改善措置(配置転換など)を検討し、双方のプライバシーに配慮しながら対応を進めることが重要です。

Q 従業員の副業を全面的に禁止することはできますか?
A

労働者には就業時間外の私生活の自由があるため、全面的な副業禁止は原則として無効とされます。ただし、競業避止義務違反、秘密保持義務違反、長時間労働による労務提供への支障、会社の信用失墜などにつながる場合は、制限や禁止が認められます。

Q 退職する従業員から有給休暇の残日数を全て消化したいと申請がありました。拒否できますか?
A

会社には事業の正常な運営を妨げる場合に休暇日を変更できる「時季変更権」がありますが、退職予定日を超えて変更することはできないため、実質的に拒否することはできません。業務の引き継ぎ等を考慮し、計画的な取得を促すか、買取りの労使合意を検討します。

Q 業績悪化のため、従業員の退職金を減額することは可能ですか?
A

退職金は労働条件の重要な要素であり、一方的な不利益変更は原則として無効です。労働者の個別の同意を得るか、変更に合理的な理由(高度の必要性、変更内容の相当性、代償措置の有無、労働組合等との交渉経緯など)が認められる必要があります。

Q 休職期間が満了しても復職できない場合、自動的に退職として扱っても問題ありませんか?
A

就業規則に「休職期間満了時に復職できない場合は自然退職とする」旨の規定があれば、原則として退職扱いとなります。ただし、休職事由と業務起因性の有無(労災の可能性)など、不当な退職扱いとならないよう事前の確認が必要です。

Q 従業員が精神疾患で休職を繰り返しています。退職してもらうことは可能ですか?
A

就業規則の休職規定に基づき、休職期間が満了しても復職できない場合は自然退職(または解雇)とするのが一般的です。ただし、復職の可否は主治医の診断だけでなく、産業医の意見も踏まえて客観的に判断する必要があります。安易な退職勧奨や解雇は不当解雇としてトラブルになるリスクがあります。

Q 試用期間中の従業員の本採用を拒否(解雇)することは、通常の解雇より容易ですか?
A

試用期間中は「解約権留保付労働契約」と解され、通常の解雇よりは広い範囲で解雇が認められます。しかし、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要であることに変わりはなく、能力不足や勤務態度の不良などが具体的に立証できなければ無効となります。

Q 試用期間中の従業員が頻繁に遅刻・欠勤を繰り返しています。本採用を拒否できますか?
A

試用期間中は通常の解雇よりも広い範囲で解雇(本採用拒否)が認められますが、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です。度重なる注意・指導にもかかわらず改善が見られず、業務に著しい支障が生じているなどの事実を記録に残し、適正な手続きを踏むことで本採用拒否が認められる可能性があります。

Q 能力不足を理由に社員を解雇したいのですが、可能ですか?
A

解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効となります(解雇権の濫用)。能力不足を理由とする場合、具体的な指導や教育、配置転換などの改善機会を与えたにもかかわらず改善が見られないといったプロセスが求められます。

Q 業績悪化を理由に従業員を解雇(整理解雇)したいのですが、どのような要件を満たす必要がありますか?
A

整理解雇が有効とされるには、①人員削減の必要性、②解雇回避努力義務の履行(配置転換や希望退職の募集など)、③人選の合理性、④手続きの妥当性(労働組合や労働者への説明・協議)の4要件(要素)をすべて満たす必要があります。これらを満たさない解雇は無効となる可能性が高いです。

Q 従業員が会社のパソコンで業務と無関係なウェブサイトを頻繁に閲覧しています。懲戒処分の対象になりますか?
A

職務専念義務違反や企業秩序違反として懲戒処分の対象となり得ますが、直ちに重い処分(解雇など)を行うことは困難です。まずは口頭や書面で注意・指導を行い、改善の機会を与えた上で、それでも繰り返す場合には段階的に重い処分(減給など)を検討するのが適切な対応です。

Q 従業員がSNSで会社の悪口や機密情報を書き込んでいるのを発見しました。どう対応すべきですか?
A

まずは事実関係を調査・保存し、就業規則の服務規律違反や懲戒事由に該当するか確認します。機密情報の漏洩は重大な違反であり、削除要請や懲戒処分、損害賠償請求を検討します。平素からSNS利用に関するガイドラインを策定しておくことが重要です。

Q 従業員が個人のSNSで会社の内部情報を漏洩させた場合、懲戒処分は可能ですか?
A

はい、就業規則に秘密保持義務違反や信用失墜行為に対する懲戒規定があれば可能です。ただし、漏洩した情報の内容や影響度、本人の反省の程度などを総合的に考慮し、処分が重すぎないか(懲戒権の濫用にならないか)慎重に判断する必要があります。

Q 無断欠勤が続く従業員を懲戒解雇にすることはできますか?
A

就業規則に懲戒解雇事由として「正当な理由のない無断欠勤が〇日以上続いた場合」等の規定があることが前提です。その上で、本人への連絡努力や欠勤理由の確認を行い、手続きの適正性を担保した上で慎重に判断する必要があります。

Q 懲戒解雇した従業員に対して、退職金を不支給とすることはできますか?
A

就業規則(退職金規程)に「懲戒解雇の場合は退職金の全部または一部を支給しない」旨の規定が必要です。ただし、これまでの勤労の功を抹消するほどの著しい背信行為があったと認められる場合でなければ、全額不支給は無効とされるリスクがあります。

Q 取引先が売掛金を支払ってくれません。まず何をすべきですか?
A

まずは内容証明郵便などで支払いを督促し、支払いの意思や理由を確認します。それでも応じない場合は、法的手続きを検討します。

Q 取引先と話し合いで分割払いになる場合、どのような書面を残すべきですか?
A

「債務承認弁済契約書」を作成し、債務の存在を認めさせるとともに、分割払いの条件や遅延損害金、期限の利益喪失条項などを明確に定めます。

Q 債務承認弁済契約書を公正証書にするメリットは何ですか?
A

「強制執行認諾文言」を付した公正証書にすることで、万が一支払いが滞った場合に、裁判を起こすことなく直ちに相手方の財産を差し押さえる(強制執行)ことができます。

Q 裁判をせずに早期に回収する方法として「支払督促」があると聞きました。どのような制度ですか?
A

支払督促は、裁判所を通じて債務者に金銭の支払いを命じる制度です。書類審査のみで行われ、相手方が異議を申し立てなければ、強制執行が可能になります。

Q 支払督促の手続き中に相手方が異議を申し立てた場合はどうなりますか?
A

相手方が異議を申し立てると、支払督促は通常の訴訟手続きに移行します。そのため、相手方が争ってくる可能性が高い場合は、最初から訴訟を提起する方が良い場合もあります。

Q 少額の売掛金を回収したいのですが、費用や時間をかけずに裁判をする方法はありますか?
A

60万円以下の金銭の支払いを求める場合は「少額訴訟」を利用できます。原則として1回の期日で審理を終え、判決が言い渡されるため、迅速な解決が期待できます。

Q 少額訴訟で勝訴すれば、必ず回収できますか?
A

勝訴判決を得ても、相手方が任意に支払わない場合は強制執行を行う必要があります。相手方に差し押さえるべき財産がない場合は回収が困難になるため、事前の財産調査が重要です。

Q 取引先の社長個人に連帯保証人になってもらうことは可能ですか?
A

はい、可能です。会社が倒産した場合でも、連帯保証人である社長個人に対して請求できるようになるため、債権回収の確実性が高まります。

Q 連帯保証契約を結ぶ際の注意点は何ですか?
A

連帯保証契約は書面(または電磁的記録)でしなければ効力が生じません。また、極度額(上限額)を定めない根保証契約は無効となる場合があるため注意が必要です。

Q 相手方が財産を隠したり処分したりする恐れがある場合、どうすればよいですか?
A

訴訟を起こす前に、裁判所に「仮差押え」を申し立てることを検討します。仮差押えが認められれば、相手方の預金や不動産などの財産を一時的に凍結し、将来の強制執行に備えることができます。

Q 仮差押えの手続きにはどのくらいの期間と費用がかかりますか?
A

申し立てから数日〜数週間で決定が出ることが多いですが、裁判所に「担保金」(請求金額の1〜3割程度)を納める必要があります。担保金は原則として手続き終了後に返還されます。

Q 売掛金の消滅時効は何年ですか?
A

2020年4月の民法改正により、原則として「権利を行使することができることを知った時から5年」または「権利を行使することができる時から10年」に統一されました。

Q 時効が完成しそうな場合、どのようにして時効の完成を阻止(更新・猶予)できますか?
A

裁判上の請求(訴訟提起など)や、相手方に債務を承認させる(一部支払い、支払猶予の申し入れなど)ことで時効を更新できます。内容証明郵便での催告は、6ヶ月間時効の完成を猶予する効果があります。

Q 取引先が倒産(破産)してしまいました。売掛金はどうなりますか?
A

破産手続きにおいて配当がなされる可能性がありますが、一般的に無担保の債権(一般破産債権)の配当率は非常に低く、全額回収は極めて困難になります。

Q 取引先に対する買掛金(支払うべきお金)がある場合、売掛金と相殺することはできますか?
A

はい、双方の債権が弁済期にあるなどの要件を満たせば、相殺の意思表示をすることで、対当額で消滅させることができます。相手方が倒産した場合でも相殺は原則として可能です。

Q 商品を納入しましたが代金が支払われません。商品を引き揚げることはできますか?
A

契約書に「所有権留保条項」(代金完済まで商品の所有権を売主に留保する特約)があれば引き揚げが可能になる場合がありますが、無断で引き揚げると違法となるリスクがあるため慎重な対応が必要です。

Q 債権回収を弁護士に依頼するメリットは何ですか?
A

弁護士名での内容証明郵便を送付するだけで相手方が支払いに応じるケースも多く、心理的プレッシャーを与えられます。また、状況に応じた最適な法的手続き(仮差押え、訴訟、強制執行など)を迅速に実行できます。

Q 債権回収の弁護士費用は、回収した金額から支払う(完全成功報酬)ことは可能ですか?
A

事案によって異なりますが、着手金を無料または低額に抑え、回収額の一定割合を報酬とするプランを用意している法律事務所もあります。当事務所も事案により採用しておりますので、まずはご相談ください。

Q 相手方の財産(預金口座や不動産など)がわからない場合、どうやって調査すればよいですか?
A

弁護士に依頼すれば、弁護士会照会(23条照会)を通じて金融機関に口座の有無を照会したり、財産開示手続や第三者からの情報取得手続(裁判所を通じた手続き)を利用して財産を調査することが可能です。

Q 契約書がない口約束だけの取引でも、債権回収は可能ですか?
A

可能です。ただし、契約の存在や内容を証明する証拠(メール、LINEのやり取り、発注書、納品書、請求書など)を集める必要があります。証拠が不十分な場合は回収が難しくなるため、日頃から書面化を徹底することが重要です。

Q ソフトウェア開発を外部に委託する際、契約書で特に注意すべき点は何ですか?
A

仕様の確定時期や変更手続き、検収基準、著作権の帰属、瑕疵担保責任(契約不適合責任)の範囲などを明確に定めることが重要です。

Q SaaSビジネスを展開するにあたり、利用規約にはどのような事項を盛り込むべきですか?
A

サービス内容、料金体系、免責事項、利用停止や契約解除の条件、データの取り扱い、知的財産権の帰属などを網羅的に記載する必要があります。

Q プライバシーポリシーは必ず作成しなければなりませんか?
A

個人情報取扱事業者に該当する場合、個人情報保護法により利用目的の公表等が義務付けられているため、プライバシーポリシーの作成と公開が実務上必須となります。

Q プログラムの著作権を譲渡してもらう場合、どのような契約が必要ですか?
A

著作権法第27条(翻訳権、翻案権等)および第28条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)を含めて譲渡する旨を契約書に明記する必要があります。

Q インフルエンサーに商品のPRを依頼する際、ステマ(ステルスマーケティング)規制への対応はどうすればよいですか?
A

景品表示法違反を防ぐため、投稿に「PR」や「プロモーション」といった関係性の明示を義務付ける条項をインフルエンサー契約に含めることが重要です。

Q 他社からドメイン名を譲り受ける場合、どのような手続きや契約が必要ですか?
A

ドメイン名譲渡契約を締結し、譲渡対価や移転手続きの協力義務を定めた上で、レジストラ(登録業者)の規定に従って名義変更手続きを行う必要があります。

Q 自社のウェブサイトに他人の画像や文章を引用したいのですが、著作権侵害にならないための条件は何ですか?
A

報道、批評、研究などの正当な目的があり、引用部分と自分の著作物との主従関係が明確で、出所を明示するなどの要件を満たす必要があります。

Q AIを利用して生成した画像や文章を商用利用する場合、著作権上の問題はありますか?
A

生成AIの学習データに著作物が含まれる場合の権利侵害リスクや、生成物に著作権が発生するか(人間の創作的寄与があるか)など、個別具体的な判断が必要です。

Q 従業員が会社のパソコンで業務時間中に私的なSNS投稿をした場合、懲戒処分は可能ですか?
A

職務専念義務違反や会社の信用毀損に該当する場合は処分可能ですが、就業規則に規定があることや、処分の程度が妥当であることが求められます。

Q ECサイトを運営する場合、特定商取引法に基づく表記には何を記載しなければなりませんか?
A

事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、販売価格、代金の支払時期と方法、商品の引渡時期、返品やキャンセルの条件などを正確に記載する義務があります。

Q アプリ開発において、オープンソースソフトウェア(OSS)を利用する際のリスクは何ですか?
A

ライセンスの種類(GPLなど)によっては、自社で開発したプログラムのソースコードも公開しなければならない義務(コピーレフト条項)が生じるリスクがあります。

Q ユーザーが投稿できる掲示板サイトを運営しています。違法な書き込みがあった場合、運営者は責任を負いますか?
A

プロバイダ責任制限法により、違法な情報の存在を知っていたか、知ることができたと認められる場合には、損害賠償責任を負う可能性があります。

Q 他社の商標を検索エンジンのリスティング広告のキーワードとして使用することは違法ですか?
A

商標権侵害や不正競争防止法違反となる可能性があります。広告の表示内容によって、ユーザーが誤認混同を生じるかどうかが判断のポイントとなります。

Q 従業員が退職時に顧客データを持ち出した場合、どのように対処すべきですか?
A

不正競争防止法上の営業秘密侵害に該当する可能性があるため、速やかに証拠保全を行い、差し止め請求や損害賠償請求、刑事告訴などを検討します。

Q クラウドサービスを利用する際、データ消失時の責任は誰が負いますか?
A

一般的にクラウドサービスの利用規約では事業者の免責が広く定められていますが、消費者契約法や重過失がある場合など、免責が無効となるケースもあります。

Q スクレイピングで他社のウェブサイトからデータを収集することは法的に問題ありませんか?
A

著作権法違反、不正アクセス禁止法違反、利用規約違反などに問われるリスクがあるため、対象サイトの規約確認や、サーバーに過度な負荷をかけない配慮が必要です。

Q 会社として公式SNSアカウントを運用する際、炎上を防ぐためのガイドラインには何を定めるべきですか?
A

発信内容の基準、禁止事項、著作権や肖像権の尊重、トラブル発生時の報告ルートや対応手順などを明確にし、担当者に周知徹底することが重要です。

Q AI開発のための学習データとして、インターネット上の画像や文章を無断で使用してもよいですか?
A

著作権法第30条の4により、情報解析(機械学習など)を目的とする場合は原則として著作物の利用が認められますが、著作権者の利益を不当に害する場合は例外となります。

Q フリーランスのエンジニアに業務委託する場合、下請法の適用はありますか?
A

自社の資本金が1000万円超で、フリーランス(資本金1000万円以下または個人)に情報成果物作成委託などを行う場合、下請法が適用され、書面の交付義務等が生じます。

Q 電子契約サービスを利用して契約を締結する場合、どのような点に注意すればよいですか?
A

契約の性質上、書面化が義務付けられているもの(一部の定期借地契約など)ではないか確認し、電子署名法に基づく適切な署名が付与されるシステムを選ぶ必要があります。

Q M&AにおけるNDA(秘密保持契約)を締結する際、特に注意すべき点は何ですか?
A

秘密情報の定義を明確にし、目的外使用の禁止や、情報開示先(アドバイザー等)の範囲を適切に設定することが重要です。
また、有効期間や契約終了後の情報破棄義務についても明確に定める必要があります。

Q 意向表明書(LOI)には法的な拘束力がありますか?
A

原則として法的拘束力を持たせないのが一般的ですが、独占交渉権や秘密保持義務に関する条項については法的拘束力を持たせることが多いです。
拘束力の有無を条項ごとに明確に記載することがトラブル防止に繋がります。

Q 基本合意書(MOU)を締結する目的は何ですか?
A

当事者間での基本的な取引条件(スキーム、譲渡価額の目安、スケジュール等)に関する合意内容を確認し、以後の交渉を円滑に進めるためです。
また、買主側に独占交渉権を付与する目的で締結されることもあります。

Q 法務デューデリジェンス(法務DD)とは何ですか?なぜ必要なのですか?
A

対象企業の法務に関するリスク(未払い残業代、契約上の不備、係争中の訴訟など)を調査することです。
買主がリスクを把握し、買収価額の調整や契約書(SPA等)での手当てを行うために不可欠な手続きです。

Q 法務DDのための資料開示要請リストには、どのような書類が含まれますか?
A

定款、株主名簿、取締役会議事録、主要な取引先との契約書、就業規則や労働条件通知書、許認可に関する書類、訴訟関係書類など、対象企業の組織、事業、人事労務、紛争に関する幅広い資料が含まれます。

Q 株式譲渡契約(SPA)において、表明保証条項とはどのようなものですか?
A

売主が買主に対し、対象企業の財務状況や法務リスク等に関する一定の事項が真実かつ正確であることを表明し、保証する条項です。
これに違反があった場合、買主は損害賠償請求や契約解除を行うことができます。

Q 株式譲渡と事業譲渡の法的な違いは何ですか?
A

株式譲渡は会社の経営権(株式)を移転するもので、会社の権利義務はそのまま引き継がれます。
一方、事業譲渡は特定の事業目的のために組織化された財産を移転するもので、契約や許認可の承継には個別の同意や再取得が必要です。

Q 事業譲渡契約を締結する際、従業員の転籍はどのように行われますか?
A

事業譲渡では従業員との労働契約は当然には承継されないため、譲渡会社で退職し、譲受会社で新たに雇用契約を結ぶ(転籍)必要があります。
これには従業員個別の同意が不可欠です。

Q 複数株主がいる会社を買収する場合、株主間契約を締結する意味は何ですか?
A

株式の譲渡制限や、取締役の指名権、重要な意思決定における拒否権などを定め、株主間の権利義務関係を明確にするためです。
特に、マイノリティ出資や合弁会社設立の際などに重要となります。

Q M&A後、元の経営陣に引き続き経営を任せる場合、どのような契約が必要ですか?
A

経営委任契約(または業務委託契約、雇用契約など)を締結し、担当業務の範囲、報酬、権限、競業避止義務などを明確に定めます。
これにより、PMI(買収後の統合)を円滑に進めることが期待できます。

Q クロージングの前提条件(CP)とは何ですか?
A

株式譲渡や事業譲渡を実行(クロージング)するために満たされなければならない条件のことです。
例えば、独占禁止法のクリアランス取得や、重要な取引先の同意取得、表明保証違反がないことなどが定められます。

Q M&Aにおける競業避止義務とは何ですか?
A

会社法上、事業を譲渡した会社は同一市町村および隣接市町村で20年間同一事業を行えない義務を負います。
株式譲渡の場合でも、売主が類似事業を始めて買主の利益を損なわないよう、契約で競業避止義務を定めるのが一般的です。

Q 中小企業の事業承継において、種類株式を活用するメリットは何ですか?
A

議決権制限株式や拒否権付株式(黄金株)などを活用することで、後継者に経営権を集中させつつ、他の相続人には財産権として配当優先株式を割り当てるなど、柔軟な事業承継対策が可能になります。

Q 事業承継における遺留分対策として、民法特例(除外合意・固定合意)とは何ですか?
A

後継者が先代経営者から贈与された株式について、他の相続人の遺留分算定基礎財産から除外したり(除外合意)、合意時の評価額で固定したり(固定合意)する制度で、後継者の経営権安定に役立ちます。

Q 買収防衛策としての「ポイズンピル」とはどのようなものですか?
A

敵対的買収者が一定割合以上の株式を取得した場合に、既存株主に新株予約権を無償で割り当て、買収者の持株比率を低下させることで買収を防衛する手段です。
導入には株主総会の承認など厳格な手続きが必要です。

Q M&Aのスキームとして会社分割を選択するメリットは何ですか?
A

特定の事業部門のみを切り出して他社に承継させることができ、事業譲渡と異なり、労働契約や許認可などが原則として包括的に承継されるため、手続きが比較的簡便であるというメリットがあります。

Q 簡易組織再編(簡易合併、簡易分割など)とはどのような制度ですか?
A

存続会社または承継会社において、対価として交付する財産の額が純資産額の一定割合(原則20%)以下である場合などに、株主総会の特別決議を省略できる制度です。
手続きの迅速化が図れます。

Q M&Aにおいて、独占禁止法の企業結合審査が必要になるのはどのような場合ですか?
A

買収会社と対象会社の国内売上高合計が一定の基準を超える場合など、競争を実質的に制限することとなるおそれがある場合には、公正取引委員会への事前の届出と審査が必要となります。

Q 法務DDで重大なコンプライアンス違反が発覚した場合、どのように対応すべきですか?
A

違反の性質や影響度を評価し、買収価額の減額交渉、表明保証や補償条項によるリスクの遮断、クロージング前提条件への是正措置の追加などを検討します。
リスクが大きすぎる場合はディールの見送りも選択肢となります。

Q M&Aの手続きにおいて、弁護士などの外部アドバイザーを起用するメリットは何ですか?
A

法務DDによるリスクの洗い出し、契約書(SPA等)の作成・交渉、関連法令(会社法、金商法、独禁法など)の遵守確認など、専門的な知見に基づき取引を安全かつ有利に進めるためのサポートを受けられる点です。

Q 少数株主権とはどのような権利ですか?また、行使するための要件を教えてください。
A

少数株主権とは、一定の割合または数の株式を保有する株主のみが行使できる権利です。代表的なものに、株主総会招集請求権(総株主の議決権の3%以上を6ヶ月前から保有)や、帳簿閲覧請求権(同3%以上)などがあります。経営陣の不正を追及したり、会社の情報を取得したりする際に活用されます。

Q 株主総会の決議内容に法令違反がある場合、どのような対応をとることができますか?
A

株主総会の決議内容が法令に違反している場合、株主等は「株主総会決議無効確認の訴え」を提起することができます。この訴えはいつでも提起可能であり、勝訴すれば決議は最初から無効であったことになります。

Q 株主総会の招集手続きに不備があった場合、決議を取り消すことはできますか?
A

招集手続きや決議の方法が法令や定款に違反している場合、または著しく不公正な場合、株主等は決議の日から3ヶ月以内に「株主総会決議取消しの訴え」を提起できます。ただし、違反が重大でなく、決議に影響を及ぼさないと認められる場合は、裁判所の裁量で棄却されることもあります。

Q 取締役会や株主総会で意見が対立し、何も決められない「デッドロック」状態に陥った場合、どうすればよいですか?
A

デッドロック状態を解消するためには、株式の買い取り交渉、第三者への会社売却(M&A)、会社分割による事業の分離などの方法が考えられます。最終的な手段として、裁判所に会社の解散を請求する「会社解散の訴え」を提起することも検討されます。

Q 企業におけるコンプライアンス体制を構築するためには、まず何から始めるべきですか?
A

まずは経営トップがコンプライアンス重視の姿勢を明確に打ち出すことが重要です。その上で、行動規範や倫理規程を策定し、従業員への教育・研修を定期的に実施します。また、内部監査部門の設置や内部通報制度の導入など、実効性のある体制を整備する必要があります。

Q 内部通報窓口を設置する際の留意点は何ですか?
A

通報者が不利益な取り扱いを受けないよう、匿名性の確保と通報者保護の仕組みを明確に規定することが重要です。また、社内窓口だけでなく、法律事務所などの外部窓口を設置することで、通報のハードルを下げ、制度の実効性を高めることができます。

Q 取引先が反社会的勢力であることが判明した場合、どのように対応すべきですか?
A

直ちに取引を停止し、契約を解除する必要があります。平時から契約書に「反社会的勢力排除条項(暴排条項)」を盛り込んでおくことが不可欠です。対応に際しては、不当な要求に屈せず、警察や弁護士などの専門家と連携して毅然とした態度で臨むことが重要です。

Q パワハラやセクハラを防ぐために、就業規則にどのような規定を設けるべきですか?
A

ハラスメントの定義を明確にし、会社としてハラスメントを一切容認しないという方針を明記します。また、懲戒処分の対象となること、相談窓口の設置と利用方法、相談者のプライバシー保護や不利益取り扱いの禁止などを具体的に規定する必要があります。

Q 取締役の不正行為により会社が損害を被った場合、株主は取締役の責任を追及できますか?
A

株主は、会社に対して取締役の責任を追及する訴え(株主代表訴訟)を提起するよう請求できます。会社が一定期間内に訴えを提起しない場合、株主自身が会社に代わって訴えを提起することができます(公開会社では6ヶ月前から株式を保有していることが要件)。

Q 会社法上、内部統制システムの構築義務があるのはどのような会社ですか?
A

取締役会設置会社のうち、大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)には、内部統制システムの構築(基本方針の決定)が義務付けられています。それ以外の会社でも、リスク管理や業務の適正を確保するために、自発的に構築することが強く推奨されます。

Q 法律事務所と顧問契約を締結するメリットは何ですか?
A

いつでも法務相談ができ、トラブルの未然防止や早期解決が図れる点です。自社の事業内容や内情を深く理解した弁護士から、迅速かつ適切なアドバイスを受けられるため、法務コストの削減や経営への専念にも繋がります。

Q 定款の事業目的を変更したいのですが、どのような手続きが必要ですか?
A

定款の変更には、株主総会の特別決議が必要です。議案を作成して株主総会を招集し、決議を経た後、本店所在地において2週間以内に法務局へ変更登記の申請を行う必要があります。

Q 取締役会を新たに設置する場合の要件と手続きを教えてください。
A

取締役会を設置するには、取締役が3名以上、監査役が1名以上必要です。手続きとしては、株主総会の特別決議によって定款を変更し、取締役会設置会社となる旨の登記を行う必要があります。

Q 株主総会の招集通知は、いつまでに発送する必要がありますか?
A

原則として、公開会社では会日の2週間前までに、非公開会社(取締役会設置会社)では1週間前までに発送する必要があります。非公開会社で取締役会非設置の場合は、定款でさらに短い期間を定めることも可能です。

Q 取締役会議事録は必ず作成しなければなりませんか?また、誰が押印すべきですか?
A

はい、会社法により作成が義務付けられています。出席した取締役および監査役は、議事録に署名または記名押印しなければなりません。代表取締役のみが押印する旨を定款で定めることはできません。

Q 株主から株主総会議事録の閲覧請求がありました。拒否することはできますか?
A

株主および債権者は、会社の営業時間内であればいつでも株主総会議事録の閲覧または謄写を請求できます。正当な理由がない限り、会社はこれを拒否することはできません。

Q 会社の定款を紛失してしまいました。どうすればよいですか?
A

会社設立時の原始定款であれば、公証役場に保存されている可能性があります(設立から20年以内)。現在の定款を復元するには、過去の株主総会議事録等を確認して内容を確定させ、再度株主総会で承認を得る方法が考えられます。

Q 株主総会を実際に開催せず、書面のみで決議を行うことは可能ですか?
A

はい、可能です(みなし決議)。取締役または株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、議決権を行使できる株主の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされます。

Q 取締役が個人的に会社と取引をする場合、どのような手続きが必要ですか?
A

取締役が会社と取引をする場合(利益相反取引)、事前に取締役会(取締役会非設置会社の場合は株主総会)で重要な事実を開示し、承認を得る必要があります。また、取引後も遅滞なく重要な事実を報告しなければなりません。

Q 監査役の主な役割と権限は何ですか?
A

監査役の主な役割は、取締役の職務執行の監査(業務監査)と、計算書類等の監査(会計監査)です。取締役に対して事業の報告を求めたり、会社の業務や財産の状況を調査したりする強い権限を持っています。

Q 取締役会議事録や株主総会議事録を電子データで作成し、電子署名を行うことは可能ですか?
A

はい、可能です。会社法上、議事録を電磁的記録(電子データ)で作成することが認められており、その場合は署名または記名押印に代えて、法務省令で定める署名または電子署名を行うことができます。

Q 株主総会を完全オンライン(バーチャルオンリー)で開催することはできますか?
A

はい、一定の要件を満たせば可能です。経済産業大臣および法務大臣の確認を受けた上、定款に「場所の定めのない株主総会」を開催できる旨を定める必要等があります。

Q 取締役や監査役の任期を延長することはできますか?
A

非公開会社(全株式譲渡制限会社)に限り、定款で定めることにより、取締役および監査役の任期を選任後約10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで延長することができます。

Q 定款に必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)は何ですか?
A

目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称および住所の5項目です。これらが欠けている定款は無効となります。

Q 取締役が任期途中で辞任することは可能ですか?
A

はい、取締役と会社は委任関係にあるため、原則としていつでも辞任することができます。ただし、辞任によって法律または定款で定めた取締役の員数を欠くことになる場合は、後任者が就任するまで引き続き取締役としての権利義務を負うことになります。

Q 代表取締役はどのように選定されますか?
A

取締役会設置会社では、取締役会の決議によって取締役の中から選定します。取締役会非設置会社では、定款、定款の定めに基づく取締役の互選、または株主総会の決議によって選定することができます。

Q 株主名簿にはどのような事項を記載する必要がありますか?
A

株主の氏名または名称および住所、保有する株式の数および種類、株式を取得した日などを記載する必要があります。株主名簿は本店に備え置き、株主等からの閲覧請求に応じられるようにしなければなりません。

Q 取締役会の決議はどのような要件で成立しますか?
A

原則として、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行います。ただし、定款でこれを上回る要件(例:3分の2以上の賛成など)を定めることも可能です。特別の利害関係を有する取締役は議決に加わることができません。

Q 株主総会の「普通決議」と「特別決議」の違いは何ですか?
A

普通決議は役員選任など日常的な重要事項を決議し、議決権の過半数(定足数)が出席し、出席株主の議決権の過半数で可決されます。特別決議は定款変更や合併など会社の根幹に関わる事項を決議し、議決権の過半数が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。

Q 顧問契約の範囲内で、従業員向けのコンプライアンス研修などを依頼することはできますか?
A

対応可能です。顧問契約の内容(プラン)にもよりますが、ハラスメント防止や個人情報保護、契約書の基礎など、企業のニーズに合わせた社内研修の講師をご依頼いただくことも可能です。

Q 契約書を交わさずに口約束だけで取引を始めてしまいましたが、法的に有効ですか?
A

契約は口頭でも成立しますが、トラブルになった際に証明が難しいため、必ず契約書や発注書などの書面を残すことをお勧めします。

Q 取引先から提示された契約書に不利な条項が含まれているか確認するポイントは何ですか?
A

損害賠償の範囲、解除条件、支払条件、管轄裁判所などに自社に著しく不利な内容がないか確認することが重要です。

Q 秘密保持契約(NDA)を結ぶ際の注意点は何ですか?
A

秘密情報の定義を明確にし、目的外使用の禁止、有効期間、情報漏洩時の損害賠償について具体的に定めることが重要です。

Q 契約書に収入印紙を貼り忘れた場合、契約は無効になりますか?
A

契約自体は有効ですが、印紙税法違反として過怠税が課される可能性があります。

Q 取引先が売掛金を支払ってくれません。どのような対応をとるべきですか?
A

まずは内容証明郵便で督促を行い、それでも支払われない場合は、支払督促の申立てや少額訴訟などの法的手続きを検討します。

Q 業務委託契約と雇用契約の違いは何ですか?
A

業務委託契約は独立した事業者として業務を遂行しますが、雇用契約は使用者の指揮命令下で労働を提供し、労働基準法が適用される点が異なります。

Q 契約期間の自動更新条項を解除するにはどうすればよいですか?
A

契約書に定められた期限(例:期間満了の1ヶ月前)までに、書面で更新拒絶の通知を行う必要があります。

Q 損害賠償額の予定条項とは何ですか?
A

債務不履行があった場合に、あらかじめ損害賠償の額を取り決めておく条項です。実際の損害額の立証が不要になるメリットがあります。

Q 契約解除の「催告解除」と「無催告解除」の違いは何ですか?
A

催告解除は一定期間を定めて履行を求め、それでも履行されない場合に解除します。無催告解除は、重大な違反があった場合などに直ちに解除できる特約です。

Q 電子契約は紙の契約書と同じ法的効力を持ちますか?
A

はい、電子署名法に基づき、適切な電子署名が付与されていれば、紙の契約書と同等の法的効力を持ちます。

Q 基本契約と個別契約の内容が矛盾する場合、どちらが優先されますか?
A

一般的には、後から結ばれる個別契約や、個別契約を優先する旨の条項がある場合は個別契約が優先されます。

Q 契約書に「反社会的勢力の排除条項」を入れる必要性はありますか?
A

企業のコンプライアンス上必須であり、取引先が反社会的勢力と判明した際に、直ちに契約を解除できるようにするために重要です。

Q 下請法が適用される取引とはどのようなものですか?
A

資本金規模の大きい親事業者が、資本金規模の小さい下請事業者に対し、製造委託や役務提供委託などを行う場合に適用されます。

Q 取引先が倒産しそうです。商品の引き揚げは可能ですか?
A

契約書に「所有権留保条項」があれば引き揚げが可能になる場合がありますが、勝手に引き揚げることは自力救済として違法となるリスクがあります。

Q 契約書の管轄裁判所を「自社の本店所在地」とするメリットは何ですか?
A

万が一裁判になった場合、遠方の裁判所に出向く時間や交通費などのコストを削減できるメリットがあります。また、民事保全(仮差押等)の管轄にもなりえるため、重要です。

Q 契約書の「不可抗力免責条項」とは何ですか?
A

天災や戦争など、当事者の責めに帰すことのできない事由で債務不履行となった場合、責任を免除する条項です。

Q 業務委託先が第三者に業務を再委託することを禁止できますか?
A

契約書に「再委託の禁止」または「事前の書面による承諾が必要」とする条項を設けることで制限できます。

Q 契約締結前にやり取りしたメールの内容は、契約内容として認められますか?
A

契約書に「完全合意条項」がある場合、過去のやり取りは否定されます。重要な条件は必ず契約書に記載してください。

Q 取引先から契約の途中解除を求められました。応じる必要はありますか?
A

契約書に中途解除に関する規定がない限り、原則として合意がなければ応じる必要はありません。損害賠償を請求できる場合もあります。

Q 契約書の作成を弁護士に依頼するメリットは何ですか?
A

自社に有利な条項の提案や、将来のトラブルを未然に防ぐためのリスクヘッジ、最新の法令に適合した契約書の作成が可能です。

Q OEM契約において、商標権の扱いはどうすべきですか?
A

製造委託者が商標権を保有し、受託者には製造目的でのみ使用を許諾する旨を明記し、権利の帰属を明確にすべきです。

Q 代理店契約と特約店契約の違いは何ですか?
A

一般的には、代理店はメーカーの代理として契約を結び手数料を得ますが、特約店は自ら商品を買い取って再販売する(売買契約)という違いがあります。

Q フランチャイズ契約でテリトリー権を定める意味は何ですか?
A

加盟店が特定の地域で独占的に営業できる権利を保障し、他の加盟店や本部との競合を防ぐために重要です。

Q 契約書に印鑑証明書の添付を求めるべきケースはどのような場合ですか?
A

不動産売買や高額な金銭消費貸借契約など、取引の重要性が高く、本人の意思確認を厳格に行う必要がある場合です。

Q 契約の有効期間を「1年間」とし、その後「自動更新」とする場合の注意点は?
A

更新を希望しない場合の通知期限(例:期間満了の3ヶ月前)を明確にし、期限管理を徹底することが重要です。

Q 瑕疵担保責任(契約不適合責任)の期間はどのくらいに設定すべきですか?
A

民法の原則は「不適合を知った時から1年」ですが、商法では「受領後遅滞なく検査し直ちに通知」となります。実務では「納品後3ヶ月」などと定めることが多いです。

Q 違約金条項と損害賠償請求は両立しますか?
A

違約金が「損害賠償額の予定」と推定される場合、実際の損害額が違約金を上回っても追加請求は原則できません。特約を設ける必要があります。

Q 契約書を英語で作成する場合の準拠法はどうなりますか?
A

準拠法条項で明示的に定めます。日本企業同士の取引でも英語で作成することは可能ですが、準拠法を「日本法」と明記することが重要です。

Q 取引先が納品物を検収してくれません。どうすればよいですか?
A

契約書に「納品後〇日以内に検収結果を通知しない場合は、検収に合格したものとみなす」(みなし検収条項)を設けておくことが有効です。

Q リース契約とレンタル契約の法的な違いは何ですか?
A

リースは中長期間で中途解約が原則不可(ファイナンス・リース)、レンタルは短期間で中途解約が可能な場合が多いという違いがあります。

Q 契約書の訂正方法(訂正印の押し方)を教えてください。
A

訂正箇所に二重線を引き、その近くに正しい文字を記入した上で、契約書に使用したのと同じ印鑑(署名)で訂正印を押します。

Q 割印と契印の違いは何ですか?
A

割印は2つ以上の独立した文書の関連性を示すために押し、契印は1つの契約書が複数ページにわたる場合に、ページの連続性を示すために押します。

Q 契約の解除と取消しの違いは何ですか?
A

解除は有効に成立した契約を当事者の意思表示で白紙に戻すこと、取消しは詐欺や強迫など契約の成立過程に瑕疵があった場合に契約を無効にすることです。

Q 消費者契約法が企業間の取引に適用されることはありますか?
A

いいえ、消費者契約法は「消費者」と「事業者」の間の契約にのみ適用され、企業間(BtoB)取引には適用されません。

Q 契約書に「甲及び乙は誠意をもって協議する」という誠実協議条項には法的効力がありますか?
A

法的拘束力は弱いですが、トラブル発生時に一方的な解除などを防ぎ、まずは話し合いの場を持つという事実上の効果が期待できます。

Q 競業避止義務を退職後も課すことは可能ですか?
A

期間、地域、職種などの制限が合理的であり、代償措置があるなど、労働者の職業選択の自由を不当に侵害しない範囲で有効とされます。無条件で有効となるわけではないため、注意が必要です。

Q ソフトウェア開発委託契約において、著作権の帰属はどうなりますか?
A

原則として開発者(受託者)に帰属しますが、契約で「納品と同時に委託者に移転する」と定めるのが一般的です。

Q 契約書の原本を1通だけ作成し、一方がコピーを保管することは問題ありませんか?
A

法的には問題ありませんが、コピーには原本と同じ証明力がないため、トラブル防止のためには双方が原本を保管することが望ましいです。

Q 債権譲渡を禁止する特約は有効ですか?
A

民法改正により、譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は有効となりますが、譲受人が悪意または重過失の場合は、債務者は履行を拒絶できます。

Q 取引基本契約書に収入印紙は必要ですか?
A

継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)に該当する場合、4,000円の収入印紙が必要です(契約期間が3ヶ月以内で更新の定めのないものを除く)。

Q 契約書のサイン(署名)と記名押印の違いは何ですか?
A

署名は本人が自筆で氏名を書くことで、記名はゴム印や印刷などで氏名を記し、それに印鑑を押すことです。法的効力は同等とされます。

Q 電子契約システムを導入する際、取引先にも同じシステムが必要ですか?
A

多くの場合、送信側がシステムを契約していれば、受信側(取引先)はメールに記載されたリンクからシステムなしで署名・合意が可能です。

Q 契約書における「善管注意義務」とはどのような義務ですか?
A

業務を委託された者の職業や専門家としての能力・地位からみて、一般的に期待される程度の注意を払う義務のことです。

Q 取引先からの支払いが遅延した場合の遅延損害金はどのくらい請求できますか?
A

契約で定めた利率(法定利率を超えることも可能、ただし上限あり)を請求できます。定めのない場合は法定利率(現在は年3%)となります。

Q 契約書に日付を記入し忘れた場合、契約は無効ですか?
A

無効にはなりませんが、契約の成立時期や効力発生時期が不明確になりトラブルの原因となるため、後からでも合意の上で記入すべきです。

Q 契約当事者の一方が社名変更した場合、契約書を作り直す必要はありますか?
A

法人格の同一性が保たれているため作り直す必要はありませんが、覚書などで社名変更の事実を確認しておくことが望ましいです。

Q 個人情報の取り扱いについて、業務委託契約書で定めるべき事項は何ですか?
A

利用目的の制限、安全管理措置、再委託の制限、漏洩時の報告義務、契約終了時の個人情報の返還・廃棄などを定める必要があります。

Q 契約書の「期限の利益喪失条項」とは何ですか?
A

債務者が分割払いの支払いを怠った場合などに、残額を一括で支払わなければならなくなる(期限の利益を失う)という条項です。

Q 契約書の製本(袋とじ)は必ず行う必要がありますか?
A

必須ではありませんが、ページの差し替えや改ざんを防ぎ、契印を押す手間を省くことができるため、複数ページの契約書では推奨されます。

Q 契約の無効と取消しの違いは何ですか?
A

無効は最初から全く効力がないこと(例:公序良俗違反)、取消しは取り消されるまでは有効ですが、取り消されると遡って無効になること(例:詐欺による契約)です。

Q 取引先が契約違反をした場合、直ちに契約を解除できますか?
A

原則として、相当の期間を定めて履行を催告し、それでも履行されない場合に解除できます(催告解除)。ただし、無催告解除特約があれば直ちに解除可能です。

Q 契約書に印紙を貼った後、契約がキャンセルになりました。印紙代は戻ってきますか?
A

契約書が作成・交付された後であれば、印紙代の還付は受けられません。作成前や誤って貼った場合は還付の手続きが可能です。

Q 海外企業との契約で、仲裁条項を入れるメリットは何ですか?
A

裁判所の判決よりも外国での執行が容易であること(ニューヨーク条約)、非公開で手続きが進められること、専門家を仲裁人に選任できることなどがあります。

Q NDA(秘密保持契約)の有効期間はどのくらいに設定すべきですか?
A

情報の性質によりますが、一般的には契約終了後1〜3年程度とすることが多いです。営業秘密など重要な情報は期間を限定しないこともあります。

Q 契約書を郵送する際、普通郵便で送っても問題ありませんか?
A

法的には問題ありませんが、重要書類であるため、追跡可能な特定記録郵便やレターパック、簡易書留などを利用することが望ましいです。

Q 契約書に捨印を押すことを求められましたが、押しても大丈夫ですか?
A

捨印は軽微な誤字脱字の訂正を相手方に委任するものですが、内容を勝手に改ざんされるリスクがあるため、極力押さないか、信頼できる相手に限定すべきです。

Q 契約書の「分離可能性条項」とは何ですか?
A

契約書の一部が法令等により無効とされた場合でも、残りの条項は引き続き有効であることを確認する条項です。

Q 業務委託契約で「成果物の瑕疵」とは具体的にどのような状態を指しますか?
A

納品されたシステムにバグがある、作成されたデザインが仕様書と異なるなど、契約で予定されていた品質や性能を満たしていない状態を指します。

Q 契約書の文末にある「以上、本契約の成立を証するため、本書2通を作成し...」という文言は必須ですか?
A

必須ではありませんが、契約書が何通作成され、誰が保管するのかを明確にするために記載するのが一般的です(後文といいます)。

Q 取引先から契約書のドラフト(案)が送られてきました。修正を依頼する際のマナーはありますか?
A

Word等の変更履歴機能を使用して修正箇所を明示し、なぜその修正が必要なのか(自社の規定やリスクなど)をコメントで論理的に説明することが重要です。

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