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経営改善・債務整理のQ&A

Q 会社の資金繰りが厳しくなってきました。弁護士に相談するタイミングはいつが良いですか?
A

資金ショートが現実味を帯びる前、できるだけ早い段階でのご相談をお勧めします。早期であれば、リスケジュール(返済条件の変更)や私的整理、民事再生など、破産を回避して事業を継続できる選択肢が多く残されています。

Q 資金繰り予定表とは何ですか?なぜ作成する必要があるのでしょうか?
A

資金繰り予定表は、将来の現金の収入と支出の予定を月別や日別にまとめた表です。これを正確に作成することで、いつ資金が不足するかを可視化でき、金融機関へのリスケ交渉や経営改善計画の策定において必須の資料となります。

Q 銀行への返済が苦しい場合、リスケジュール(リスケ)はどのように進めるのですか?
A

資金繰り予定表や経営改善計画書を作成し、それをもとにメインバンクをはじめとする取引金融機関と交渉します。元本の返済猶予や金利の減免などを求めますが、全行横並びの同意(バンクミーティング等)を得ることが一般的です。

Q 資金調達の方法として「少人数私募債」というものを聞きましたが、どのような制度ですか?
A

少人数私募債は、親族や取引先など50名未満の縁故者に対して社債を発行し、資金を調達する方法です。金融機関を通さないため無担保で発行でき、社債発行の要件を満たせば中小企業でも比較的容易に資金調達が可能な手段の一つです。

Q 私的整理とはどのような手続きですか?法的整理とは何が違うのでしょうか?
A

私的整理は、裁判所を通さず、金融機関などの債権者と直接協議して債務の減免や猶予を取り決める手続きです。法的整理(破産や民事再生など)に比べて手続きが柔軟で非公開で行われるため、事業価値の毀損を防ぎやすいというメリットがあります。

Q 中小企業再生支援協議会(現在の活性化協議会)を利用した再生とはどのようなものですか?
A

公的機関である中小企業活性化協議会が、中立的な立場で企業と金融機関の間に入り、経営改善計画の策定支援や調整を行う制度です。専門家のサポートを受けながら、透明性の高い私的整理を進めることができます。

Q 会社の再建を目指す「民事再生」とはどのような手続きですか?
A

民事再生は、裁判所の監督の下、原則として現在の経営陣が引き続き経営を行いながら、債権者の同意を得て再生計画を定め、債務を大幅に圧縮して事業の再建を図る法的整理手続きです。

Q 民事再生手続き中の資金繰り(DIPファイナンス)はどのように確保するのですか?
A

民事再生を申し立てると従来の借り入れは難しくなるため、申立前からの現預金の確保や、スポンサー企業からの資金支援、または金融機関からのDIPファイナンス(再生手続き中の企業向け融資)を利用して当面の運転資金を確保します。

Q 会社更生と民事再生の違いは何ですか?
A

どちらも再建型の法的整理ですが、会社更生は株式会社のみが対象で、経営陣は退任し、裁判所が選任した更生管財人が経営権を掌握します。また、担保権者の権利行使も制限されるなど、より強力で厳格な手続きとなります。

Q 事業の一部だけを切り出して再生することは可能ですか?
A

はい、可能です。収益性の高い優良な事業部門のみを、会社分割や事業譲渡によって別会社(スポンサー企業や新設会社)に引き継がせ、不採算部門や過大な負債を旧会社に残して清算する手法(第二会社方式など)がよく用いられます。

Q どうしても再建が難しい場合、法人破産の手続きはどのように進みますか?
A

裁判所に破産手続開始の申し立てを行うと、破産管財人が選任されます。管財人が会社の財産を換価・処分し、債権者に公平に配当を行った後、法人は消滅します。従業員は解雇となり、事業は停止するのが原則です。

Q 法人破産を申し立てるための費用はどのくらいかかりますか?
A

裁判所に納める予納金(管財人報酬に充てられるもの。負債総額等により数十万円~数百万円)と、弁護士費用が必要です。手元資金が枯渇する前にご相談いただくことが、円滑な手続きのために極めて重要です。

Q 会社が破産すると、代表取締役である私の個人の財産はどうなりますか?
A

会社と代表者個人は別の人格であるため、原則として会社の債務を個人が被ることはありません。ただし、代表者が会社の連帯保証人になっている場合(経営者保証)は、代表者個人も自己破産などの債務整理を行うのが一般的です。

Q 「経営者保証に関するガイドライン」とは何ですか?これを利用するとどうなりますか?
A

一定の要件を満たす場合、代表者が個人の自己破産を回避しつつ、保証債務の整理を行えるルールです。手元に一定の財産(インセンティブ資産等)を残せる可能性があり、経営者の再起を後押しするための重要な制度です。

Q 破産管財人とはどのような役割を持つ人ですか?
A

裁判所から選任された中立的な立場の弁護士で、破産会社の財産を管理・処分し、債権の調査や配当を行います。また、破産に至った経緯や役員の責任の有無などについても調査を行います。

Q 会社を破産させる場合、従業員の未払い給与はどうなりますか?
A

未払い給与や退職金は、破産手続きの中で優先的に配当を受ける権利(優先的破産債権や財団債権)となります。また、国の「未払賃金立替払制度」を利用することで、未払い賃金の一定割合(最大8割)を労働者健康安全機構から立て替え払いしてもらえる場合があります。

Q 破産手続きにおいて、特定の債権者(親族や知人など)にだけ優先して返済することはできますか?
A

できません。特定の債権者にだけ返済する行為(偏頗弁済:へんぱべんさい)は、債権者平等の原則に反するため禁止されています。発覚した場合、破産管財人によって否認(効力を取り消して財産を取り戻すこと)される対象となります。

Q 法人破産をする際、取引先への連絡はどのタイミングで行うべきですか?
A

事前に連絡すると混乱を招き、一部の債権者による強引な債権回収や商品の引き揚げを引き起こすリスクがあります。そのため、弁護士が代理人として受任した直後(受任通知の発送時)や、裁判所への申し立てと同時に一斉に通知するのが一般的です。

Q 「特別清算」とは破産と何が違うのですか?
A

特別清算は、株式会社が解散した後、債務超過の疑いがある場合に行われる清算手続きです。破産よりも手続きが簡易で迅速に進むことが多いですが、債権者集会で債権者の3分の2以上の同意を得て協定を可決する必要があるため、親会社が子会社を整理する場合など、債権者の協力が得やすい事案で利用されます。

Q 債務免除(借金の免除)を受けた場合、税金はかかりますか?
A

私的整理などで債務免除を受けた場合、その免除額は「債務免除益」として法人の益金となり、原則として法人税の課税対象となります。ただし、過去の繰越欠損金と相殺したり、一定の要件を満たすことで期限切れ欠損金を利用して課税を回避する税務上の手当てが重要になります。

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